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5月31日―メディアを創る
小泉首相は信念の人か
31日の朝日新聞に、小泉首相の中国に対する姿勢の世論調査結果が出ていた。「評価しない」人が48%であるのに対し「評価する」は35%にとどまり、参拝を「やめたほうが良い」の49%が「続けたほうがよい」の39%を上回ったと、朝日新聞は分析している。
それは正しい分析であるのか。むしろ驚くべきは、「小泉首相の姿勢を評価する」、「靖国参拝は続けるべきである」と答えた人の数が、35%。38%とかなりの数に上ることである。しかも小泉首相の支持率は43%から45%へ上昇している。この世論調査が示していることは、多くの国民は、「如何なる抵抗にも屈しないという」強硬な姿勢を貫く小泉首相のパフォーマンスをむしろ評価しているということではないのか。これを見てますます小泉首相は強硬姿勢を強めるのではないのか。
しかし小泉首相はそんなに立派な信念の人なのか。とんでもない。歴史に学ばず、日中間のこれまで積み上げてきた合意も調べようとせずに、ただ感情にまかせて無責任な発言を繰り返す、単純だが傲慢きわまりない政治家に過ぎないのだ。
そんな小泉首相の正体を喝破した痛快な本を見つけた。久慈力(くじつとむ)の書いた「小泉改革に異議あり」(あけび書房)がそれである。ノンフィクション作家で社会運動家という肩書きの久慈力なる著者が如何なる人なのか、私は知らない。しかし小泉首相が首相に就任して間もない2001年6月に発行されているこの本で、すでに小泉首相の「くわせもの」ぶりを見事に言い当てている。
すなわち著者は、小泉首相の政治家の出自を、祖父又二郎、父純也の14光り(七光りプラス七光り)どころか曽祖父由兵衛を含めた21光りのおかげだと指摘。その曽祖父由兵衛は軍艦に砲弾や燃料、食糧を積み込む港湾荷役への手配師で財をなした、つまり海軍と密着し、戦争とともに成長した「政商」であることを強調する。
横須賀の軍港から参戦して行った軍艦からおこぼれを得ていた家に育った小泉首相がいきおい国粋的になり、戦後は横須賀の米軍基地に出入りする巨大な空母を見て育った小泉首相が米国に屈従的になるのはうなずけるとしても、その小泉首相の発言はつねに左右にぶれるという指摘は鋭い。
例えば沖縄問題に関し、一方で「出来るだけ米軍基地を縮小したいというのは国民共通の願いだ。その声を真剣に受け止め、米国政府に努力を要請する」と国会答弁したかと思えば、他方で「わが国の米軍施設・区域は、日米安保条約の目的を達成する上で重要な役割を果たしている」と、米軍基地撤退の視点をまったく欠いた答弁をして平然としている。
また憲法改正に関しては、「国民のコンセンサスが必要だ」とか、「憲法で武力行使を禁止している日本が武力を否定しない五大国と同じことは出来ない」、「日本の安全保障理事会入りには反対だ」と発言していたかと思うと、別のところでは、「憲法9条は改正すべきだ。いざという場合には命を捨てるような者に敬意を持てるような憲法がいい」と発言する。
このように、久慈は、小泉首相が出版物や雑誌、国会答弁などで述べた主要なテーマに関する発言を調べ上げたうえで、小泉首相の発言が頻繁に矛盾してきた事を示している。要するに彼には確固とした自分の意見が無いのだ。
その一つ一つをここで紹介する余裕は無い。しかし外交問題に関する久慈の次の言葉は是非ここで引用しておきたい。
「・・・小泉内閣は外交問題で重大な失策をする可能性が高い・・・」
八方塞りの今日の外交を、三年前に見事に見通しているのである。
http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0074
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