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国民の年間自殺者が三万人を超す中、二〇〇四年度に自殺した自衛官の数は全国で九十四人を数え、過去最多だった〇二年度を十六人上回ったことが二十六日、防衛庁のまとめで分かった。
自衛官の自殺は一九九五年度以降、十年間で六百七十三人。原因は集計中だが、〇三年度までの過去三年間の総計では「その他・不明」が過半数を占め、「借財」「職務」「家庭」が続いている。所属部隊別の数は公表していない。
〇四年度の九十四人の内訳は陸自六十四人(前年度比十六人増)、海自十六人(同一人減)、空自十四人(同四人増)。年代では「二十五―二十九歳」が十八人で最も多かった。自殺率(十万人当たりの自殺者数)は約三九・四人で、国民の自殺率(約二七・〇人、〇三年警察庁調べ)を大きく上回っている。
自衛官の自殺をめぐっては、佐世保を母港とする護衛艦「さわぎり」艦内で一九九九年十一月、乗組員の三等海曹=当時(21)=が自殺したのは上司のいじめが原因などとして、遺族が国を相手取り、損害賠償などを求めた民事訴訟が長崎地裁佐世保支部で係争中。
防衛庁は「昨年度、いじめを原因とする自殺があったかについては不明だが、過去最多の数字は深刻に受け止めている。専門家による電話、面接相談などで引き続き防止策に取り組み、遺族への心のケアにも努めたい」としている。
一方、「さわぎり裁判」支援者で、元県立大学長の石村善治氏は「一般国民と違い、高齢者がおらず、身分や給与も安定している自衛官の自殺率の高さは異常。イラク特措法などを受けた海外派遣に伴う過酷な訓練、心的負担も背景にあるのでは」と分析。「密閉された職場では人権侵害、いじめも起きやすい。自衛官の権利を守るため、ドイツなどのように軍事オンブズマン制度を設けるべきだ」と指摘している。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/index.html#03
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