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小林恭子の英国メディア・ウオッチ
http://ukmedia.exblog.jp/
ガス田共同開発とFTの記事の関係?
FTスクープ?
英ファイナンシャルタイムズのスクープではないとは思うが、4・15付けの私のブログで、以下を紹介した。
(抜粋)
日中 数字と事実
外務高官の「個人的見解」
日本の新聞、あるいは通信社で報道されただろうか?15日付フィナンシャル・タイムズ欧州版に、ガス田の件に関して日中が協力する方向に向かっている、という記事が載っている。(Japan moves to share exploration of oil with China)
情報源は外務省の谷内正太郎(やち・しょうたろう)事務次官で、「外務省としての見解でなく、個人的提案」として、東シナ海の天然ガス田の共同開発を日中でやるべきだ、と記者に話している。「このアイデアを政府内で提唱しているところ」としている。
将来の共同開発への可能性を示した発言、と受け取っていいのだろうか?
外国メディアにあえて「個人的見解」を話す、という点にやや驚いた。
(抜粋終わり)
15日付ということは、14日には話を聞いたことを意味する。もっと前かもしれない。
日本時間の22日午前3時の読売オンラインのニュースが以下。
(貼り付け)
ガス田の共同開発、中国提案に応じる方針
政府は東シナ海の天然ガス田開発問題で、中国が提案する共同開発の協議に応じる方針を固めた。
対象海域は東シナ海全体とすることを条件とする。これまでは、中国に一方的な開発を中止させることを優先させてきたが、中国側が応じず、こう着状態に陥っているため、事態を打開する狙いがある。
22日にインドネシアで開かれる予定の小泉首相と胡錦濤国家主席の首脳会談で、この問題の話し合いによる解決を確認したうえで、5月に予定されるガス田に関する日中実務者協議で共同開発を議題にする。
中国は東シナ海の日中中間線に近接する中国側でガス田開発を進める一方、2004年6月に東シナ海でのガス田の共同開発を提案した。日本政府はこれまで「中国が開発を進める中で、共同開発の議論に入ると、時間稼ぎされるだけだ」として、慎重な姿勢を取ってきた。
しかし、今月17日の日中外相会談で、中国側は日本の求めに応じて、昨年10月以来中断しているガス田の日中実務者協議の再開に同意した。このため、政府としては「双方が突っ張り合うだけでは進展がない。中国側に譲歩を促すため、こちらも共同開発に正面から向き合うべきだ」(外務省幹部)と判断した。
中国政府が反日デモの統制に乗り出したことから、ガス田問題で双方が歩み寄る環境が整いつつある、とみている。
輸送コストなどを考慮すれば、日本が単独で開発するよりも、中国と共同開発し中国にパイプラインでガスを運ぶ方が効率的だ。日本政府内には、もともと最終的な解決策として共同開発を支持する意見があった。
東シナ海では、中国側は自国の大陸棚が沖縄の西側の「沖縄トラフ(海底の溝)」まで延びていると主張し、日本が主張する日中中間線を認めていない。このため、日本政府としては、境界画定を棚上げして、暫定措置としてガス田共同開発の可能性を探る方針だ。
ただ、具体的な海域をどこに設定するか、利益の分配比率をどう定めるかなど調整の難航も予想される。政府内には、中国側が想定する共同開発は、「中間線から沖縄トラフまでの日本側海域だけではないか」との警戒感も根強い。
このため、中国との話し合いが決裂する恐れもあるため、日本側地点で民間開発業者に試掘権を与える手続きは予定通り進める方針だ。
(貼り付け終わり)
記事の後半に、「日本政府内には、もともと最終的な解決策として共同開発を支持する意見があった」とある。「実は知っていた」ということを含めた言い方なのだろうか?
ファイナンシャルタイムズの15日付の記事が、スクープではなかったことを望むが・・・。(日本のニュースを外国のメディアに抜かれるとしたらさびしい。)
ある意味では小さな点かもしれないし、「最初から知っていた」のかもしれないが、15日の時点で共同開発の可能性を政府高官の発言として出したのはファイナンシャルタイムズだけだった・・・ことではないことを望む。
昔、日本で経済関係の記事を書いていたときに、私はファイナンシャルタイムズの東京版(アジア版)をよく見ていた。ニュースが、時として、日本の新聞より早いからだった。(早とちりや誤報、フライングなどなどあったのかもしれないが。)いつも心底驚いていた。わざと外国メディアに流している部分もあったのか、なかったのか?
2000年ごろ、当時FT東京の代表(といっても編集のトップではない)に話を聞いたところ、日本政府関係者から文句の電話があることもあった、と聞いた。(裏づけがとれていないので、あくまでも彼の話、ということだが。)しかし、「間違っている部分がありますか?あったら訂正します」というと、引き下がる、といっていた。ちょっと美談すぎる話かもしれないが・・・。とりあえず、そういう話を聞いた。
特に銀行関係、財務省(昔の大蔵省)関係の情報が深く、早いと思って読んでいたが、このときの東京支局長だったのが、女性記者ジリアン・テットさん。後に、長銀が新生銀行になる過程を書いた「セービング・ザ・サン」という本を出版した。
非常におもしろく読んだが、日本では「外人が書いた本」ということで、あまり評判にならなかったように思う。どちらかというと新生銀を評価している本で、新生銀バッシングが一時続いていた日本では受け入れられなかったのかなと思ったりした。
フィナンシャルタイムズの東京版・・・。政府関係者に利用されているのか利用しているのか、不思議な存在だ。
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