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天木直人・メディアを創る ( 4/18) 小泉首相を生き返らせる反日運動?
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投稿者 天木ファン 日時 2005 年 4 月 18 日 12:39:46: 2nLReFHhGZ7P6

4月18日―メデアを創る

◇小泉を生き返らせる反日運動?

 18日発売の週刊大衆(5月2日号)に仰天記事が出ていた。行き詰まっている小泉政権を反日運動が生き返らせるというのだ。そういえば今朝の早朝の東京テレビで小泉首相の支持率が10ポイントも高くなっていると報じていた。
 この不可解な現象を週刊大衆は次のように解説している。
 「今の国民感情は、下手に卑屈な態度をとらず、毅然とした態度をとり続ける限り小泉首相を支持するという雰囲気です。一連の反日騒動も、外交の失敗として追及する口実にはなりえません。逆に郵政民営化への国民の関心をそらせる結果になり、小泉さんにとって追い風といえる状況になっています」((政治評論家・淺川博忠)
 「小泉首相は、新たな敵・中韓をクローズアップし、今回も抵抗勢力との戦い同様、いま国を救えるのは、小泉、私をおいてほかにおりません!とやらかすと見られています」(政治評論家・本澤二郎)
 「(小泉政権は)完全に追い詰められてはおりますが、中韓からの圧力での辞任はありえません。今の段階で小泉首相を辞任に追い込めば、中韓の圧力に屈したと取られかねません」(独立総合研究所・青山繁春)
たしかに、激しい中国の反日デモを連日テレビで見せつけられ、大使館や日本人が被害にあっているのを目にすると、それを止められない中国政府に反感を覚える。そんな中国政府に対して毅然とした態度をとったほうが国民は喜ぶ。
しかしそこに大きな勘違いがある。反日運動の主体は中国国民なのだ。中国政府もデモを下手に抑えきれないのだ。鎮圧すれば、反日が反政府に転じかねない。小泉首相の強硬姿勢のおかげで中国政府も綱渡りを強いられる事になっているのだ。中国政府からしてみれば、「小泉首相が強硬姿勢を変えないばかりにつまらないことになった。はた迷惑な話だ」と思っているに違いない。
若い世代が反日運動の主体となっていることは深刻だ。その若者が靖国神社参拝を繰り返す小泉首相に怒っているのだ。構図は小泉首相と中国国民の対立なのだ。
 我々日本国民は真剣に考えたほうがいい。自分の人気取りしか考えずに間違った外交を積み重ねていく小泉首相を放置して、中国、韓国の国民と衝突していくのか、それとも、侵略の犠牲になった彼らの痛みに理解を示して、国民同士の和解を目指すのか。
どちらが日本の将来にとって為になるか、答えは明白である。

◇小泉首相に物を言えない外務官僚

 アエラの4月25日号で星浩編集委員が書いている。外務官僚は小泉首相に言いたいことを言えないために、どんどんと外交で行き詰っていると。
 彼が外務省の中堅幹部と話をした時の模様を書いているのだ。
「アジア外交の手詰まりは何が原因なのだろう」と星委員が尋ねてみた。これに対し一同は押し黙ってしまったという。そして沈黙の後にそのうちの一人が次にように切り出したという。
「やはり、小泉首相の靖国参拝ですよ。首相は公約を果たす必要があるのだろうが、日本外交には高くついている」
 さらに別の外交官が続けた。
「その通りだが、靖国参拝を止めてくださいと首相官邸に言えないのが、我々のつらいところだ」
 誰かが私に言ったことがある。
「小泉首相に反対した天木さんを解雇したことは絶大な見せしめ効果を果たしたのです。クビを切られた天木さんを見せつけられて、若い外交官はますます萎縮してしまった」
 私は若い外務官僚諸兄に伝えたい。人間の価値は出世ばかりではない。自分の信じることに従えない人生は生きる価値があるのかと。ましてや国民の為に奉仕する立場にある官僚を志したのではなかったのかと。
 次の言葉はアエラの記事に掲載された外務省のアジア大洋州局長経験者の言葉である。
 「国家間では戦後処理は済んでいるが、中国や韓国の人々の感情はそうではない・・・足を踏んだ人は踏まれた人の痛みがわからない。日本人が大人の対応をする時だ」
 外務省を辞めた後でしかこのような発言を出来ない外務官僚を残念に思う。

◇介護問題は国の大きな責任だ

 17日の日経新聞に介護費用の負担の大きさについての記事が出ていた。家族を介護している全国の男女400人にアンケートをとった結果、在宅介護なら月平均4万二千円、施設に入れば十万二千五百円の負担をしているという。
 こうした費用について、多くの者が「要介護者やその配偶者がもらう年金などの収入では不足」、「貯蓄取り崩しや家族の支援で対応する」などと答えているという。20代から50代の男女千人にも同様の調査をした結果、8割もの人が、「自分が要介護状態になったら年金収入では足りない」と予想している結果も判明したという。
 実は私も介護の経験から実感したことがある。介護施設が不足し、その費用負担が大きいということである。介護保険から手厚く給付を受けられる特別養護老人ホームは限られており、有料老人ホームに入れると月に20数万円の負担を強いられる。母の死を悼む一方で経済的負担から解放されてほっとするという事では、あまりにも淋しい。それでも払える者は恵まれている。もっと厳しい状況に置かれている人が世間には多いに違いない。
 これこそが国の責任だ。政治の責任だ。これから急速に進む高齢化社会に備えて国は介護問題をもっと真剣に考える必要がある。郵政民営化などよりもはるかに重要で緊急を要する問題が目の前にある。


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