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13日投開票、千葉県知事選
『首都圏連合』で場外過熱
任期満了に伴う千葉県知事選(13日投開票)がにわかにきな臭さを増してきた。無所属新人の森田健作氏(55)を、石原慎太郎、松沢成文、上田清司の東京、神奈川、埼玉の3知事が5日、そろって応援。ディーゼル車の排ガス規制などで連携してきた無所属現職の堂本暁子氏(72)を批判する異例の事態になったのだ。背景には、首都圏の広域行政のあり方をめぐる4都県の“温度差”がある。 (千葉支局・荘加卓嗣)
■新しい広域行政
「四都県の知事が力を合わせて新しい広域行政をやってみよう。そのためにも、森田さんのような若い行動力のある人材が、千葉に知事として登場することを念願して集まった」
石原氏はJR津田沼駅前で大勢の聴衆を前に「首都圏連合」の必要性と三知事がそろい踏みして森田氏を応援する理由を説いた。続いて松沢氏も「首都圏連合構想を理解していただき“森田知事”と四人で新しい首都圏をつくるために仕事をさせてほしい」、上田氏も「共通の課題を一つのテーブルに載せ、スピーディーに解決するのが首都圏連合。三知事もせっかちでスピーディー。森田氏もそう」と訴えた。
■あいまい定義
首都圏連合は治安、環境、物流など、首都圏をまたぐ課題に対処する広域行政の枠組み。明確な定義はないが“急進的”な松沢氏が提唱するのは、地方自治法に基づく「広域連合」制度を使い、執行機関と意思決定機関を持つ団体となる構想だ。道州制移行時の受け皿となることも視野に入れる。
松沢氏は、その第一歩として常設の事務局を四都県で設置することを提案した。だが、堂本氏は慎重なスタンスを崩さず、現在に至っている。
堂本氏は、首都圏共通の課題はディーゼル排ガス規制のように個別に対応すればいいという立場。「県議会の上にさらに議会をつくれば、行政のスリム化に逆行する」と主張する。
また、羽田空港の再拡張に伴う飛行ルートを設定する際、ほとんどが千葉県上空を飛ぶことになる国土交通省案が示された例を挙げ「(四都県で)利害が対立することはあり得る」とも指摘。首都圏の名の下に機能強化が進むと、県の独自性が損なわれるとの警戒心もにじむ。
■すれ違う議論
堂本氏は五日夜、応援に訪れた中田宏・横浜市長、浅野史郎・宮城県知事と対談形式で行った演説会で「広域的に協力することは賛成です。でも、千葉県が東京の裏庭になることはない」と強調した。
一方の森田氏は、首都圏連合を公約に掲げてはいるが「もっと電話一本でできるようにしていこうと。そういうことも首都圏連合の一つ」と、友好的な協議機関をイメージしているようだ。
八都県市首脳会議(首都圏サミット)など現状の枠組みとの違いを聞かれれば「(現状は)うまく作用していないんじゃないか」と答えるが、具体的な意思決定機関などについては「そこまで考えていない」と認める。
同知事選に立候補している無所属新人の弁護士・山田安太郎氏(62)=共産推薦=は、広域行政の必要性は認めながら「新たな機関をつくるなどの権限の強化は求められてはいないのではないか。何をやるのか分からない」と機能強化には否定的な考えを示している。
石原氏は五日の街頭演説で「堂本さんともやってきたが、いつも千葉は遅いんだな。政治ってのは決めたことはすぐやらないとだめだ」とも批判した。しかし、肝心の候補者の間で論戦がかみ合っていない。外野ばかりが熱くなっている様相だ。
■立候補者(届け出順)
堂本暁子72 知事 無現<1>
森田健作55 (元)衆院議員 無新
山田安太郎62 弁護士 無新
=共
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050307/mng_____kakushin000.shtml