現在地 HOME > 政治・選挙8 > 860.html ★阿修羅♪ |
|
■【主張】予算案衆院通過 看過できぬ国会の形骸化 平成17(2005)年3月3日[木]
平成十七年度予算案が衆院を通過し、参院に送付された。憲法の規定により年度内に成立する。
焦点は郵政民営化関連法案などの重要法案の取り扱いに移るが、問題は国権の最高機関である国会の目を覆うばかりの形骸(けいがい)化である。
国民が不安に感じている年金については、年金一元化問題を含む社会保障制度全般を見直すと自民、公明、民主三党が合意したのは昨年五月だ。
十カ月たち、やっと一日の衆院予算委員会で小泉純一郎首相は、民主党の求める年金改革の協議先行を認め、岡田克也・民主党代表も評価した。
だが、与野党協議が始まるかどうかは不透明だ。衆参両院の厚生労働委員会に年金問題を論議する小委員会を設置する方向というが、民主党は議論に入る前に議論の枠組みを決める決議の採択を求めている。
年金は、主導権をいずれが握るかの政争レベルの問題ではない。小委に加え、三党合意に盛り込まれた与野党協議会も設置し、よりよい年金改革を実現することが与野党の責務だ。
「政治とカネ」をめぐっても与野党の泥仕合が繰り広げられた。
一億円ヤミ献金事件に関する橋本龍太郎元首相らの証人喚問については、自民、民主両党間で予算成立までに結論を得るよう努力すると合意したものの、実現のめどは立っていない。
こうした事件の信頼回復策として、与党は政治団体間の寄付に上限を設ける政治資金規正法改正案を先の国会に提出したが、継続審議となった。自公両党は改正案を今国会で成立させる方針だが、これでは国会が自浄能力を示したことにはならない。政治不信を払拭(ふっしょく)するためには証人を喚問し、政治腐敗にメスを入れなくてはならない。
重要法案である教育基本法改正案や自衛隊の国際平和協力活動を「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案などは今国会提出すら危ぶまれている。公明党の慎重姿勢によるものだが、自民党内からも郵政民営化法案などを優先させるため、見送りはやむを得ないとの意見が出ているという。
年金や教育など、将来像に大きな関心が寄せられている基本政策を国会がただ先送りしているのでは、国民から見放されるだけである。
http://www.sankei.co.jp/news/050303/morning/editoria.htm