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海自:
交戦に遭遇、輸送中止 アチェ州で3日間にわたり
【バンダアチェ(インドネシア・アチェ州)岩崎日出雄】インド洋大津波の最大被災地、アチェ州で、道路・橋の復旧のための重機やトラックを海上輸送している海上自衛隊が今月下旬、輸送先付近でインドネシア国軍と独立派武装組織との銃撃戦に遭ったため、3日間にわたって輸送を見合わせていたことが26日、分かった。海自は「状況は安全」と判断して輸送を再開したが、一帯は従来、外国人の立ち入りが禁止されていた危険地域。交戦発生は予測不可能で、安全に関する自衛隊の判断が問われそうだ。
同州では国軍が03年5月から独立派武装組織「自由アチェ運動(GAM)」の掃討軍事作戦を展開し、GAMは山林内のゲリラ戦で対抗。津波後も銃撃戦が続き、死傷者数百人が出ている。
海自は砂浜に上陸できるホーバークラフト2隻で今月10日以降、州都バンダアチェ市郊外から五十数キロ南西のチュナムプロンへ復旧作業で国軍が使うショベルカーなどを搬送。これまで延べ6日間で計33台を運んだ。
輸送中止は21日から。複数の国軍幹部によると、同日午前、輸送先の約30キロ北で銃撃戦が発生。GAM兵士約30人と国軍兵士7人が交戦し、国軍兵士1人が負傷した。また、同日、輸送先の五十数キロ南でも銃撃戦があり、国軍兵士8人が死傷した。国軍はこれらの情報を急報、海自は予定していた輸送を取りやめ、23日まで見合わせた。海自は「事案が海自の活動に及ぼす影響を慎重に見極めるために3日間、見合わせた」としている。
輸送先一帯はGAM兵士が多く潜伏し南北約7キロ区間に4カ所の国軍詰め所(駐留兵士計約250人)がある激戦地だ。ホーバークラフトは上陸して重機を降ろすのに約20分間かかり、1日に2隻で計3回上陸する。また、上陸誘導のための海自隊員5人がヘリで先着し、最後の積み下ろしまで数時間砂浜で待機する。しかし、24日に現場を取材した際、数百メートル離れた詰め所に兵士数人が待機するのみで、荷降ろし時以外は隊員らの警護はなかった。他方、同所を国軍幹部が視察した際は、兵士数人が数メートル間隔に配置され、銃を構えて周囲を絶えず警戒していた。
海上幕僚監部広報室は「国軍による警備や情報収集で隊員の安全は確保されている」と説明。
防衛庁は21日の海自の活動について「陸自の活動を支援」と公表したにとどまり、輸送中止には触れなかった。同庁広報課は「自衛隊が襲撃されたわけではないので公表の必要はないと判断した」と話している。
海自は輸送艦「くにさき」など3隻をバンダアチェ沖に展開。当初は陸自後方支援だけを担当していたが、インドネシアの要請で重機輸送を検討。9日に防衛庁長官が物資輸送を追加で命令し、翌日から実施していた。
毎日新聞 2005年2月27日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050227k0000m030114000c.html