現在地 HOME > 政治・選挙8 > 797.html ★阿修羅♪ |
|
This week in Hotwired Japan(2005/02/22)
http://hotwired.goo.ne.jp
三 丁 目 通 信
近年の日本は、犯罪が急増し、凶悪化が進んでいる・・というのが、
一般的な常識だと思っていたわけだけれど、河合幹雄著『安全神話崩
壊のパラドックス』を読んで、この認識が覆る。
先ず、さまざまな統計資料を読み込むことで、薄皮をはがすように
‘現実’を露わにしていく。一般刑法犯は、近年急増しているように
見えるが、自転車盗を数字に出すようになっただけ。殺人は、50年
代から減り続け、この10年は横這い・・。
結論としては、日本全体の治安は悪化していない。だが、繁華街と
住宅街、夜と昼等の境界がなくなったことで、‘安全神話’が崩壊し
た、という。
この本は凄い。こうした現実の認識なしには、対処法も適切なもの
が生まれるわけがない。そして、常識を疑い、先ず現実を認識する、
という思考は他分野でも必要だろう。
この素晴らしい論考も3500円の書籍では、なかなか多くの人が目
にするわけにはいかない。同じ内容でいいので、コンパクトにまとめ
て新書で出してほしい。その価値は十分ある。
(編集長・江坂健)