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■【主張】重要法案先送り 公明党よ党益より国益で 産経新聞 2005/2/2
新潟県中越地震などの災害復旧費を盛り込んだ平成十六年度補正予算が参院で成立した。このあと国会は十七年度予算案の審議に入るが、教育基本法改正案などの重要法案は今国会で提出すら見送られる方向だ。
いずれも公明党が反対し、与党内の調整がつかないためという。七月の東京都議選などを控え、自民党との違いを示すために法案に待ったをかけ、国政の停滞を招こうというのが、公明党の本意なのだろうか。現実政治に責任を持つ与党として問われるのは、党の利益ではなく、国益をいかに実現するか、につきる。
自民、公明両党の協議で今国会提出を見送る方向になったのは、教育基本法改正案に加え、自衛隊の国際平和協力活動を「本来任務」に格上げする自衛隊法改正案や防衛庁を「省」に昇格させる法案などだ。
教育現場の荒廃や学力低下を抜本的に見直すための教育基本法改正案は、自民党が求める「国を愛する心」の明記に公明党が反対している。
この問題に関し、神崎武法代表は代表質問で「国家主義的、全体主義的、戦前への復古主義的な考えを盛り込むことは断固反対だ」と述べ、自民党を牽制(けんせい)した。だが、愛国心を国家主義などと結び付けることこそ問題で、愛国心を子供に育(はぐく)むことは多くの国で普通の教育として行われている。
第一、神崎氏は昨年三月の記者会見で、「郷土愛の延長線上の自然な感情としての愛国心は健全な国際人として育つためにも必要だ」と述べていたのではなかったか。
自衛隊法改正案についても、公明党は昨秋の党大会で、国際平和協力活動を自衛隊の本来任務にすることに対し、「必要な法改正をして、本格的な態勢を作ることは国際貢献に一層役立つ」としていた。それを「根回しが足りない」などの理由で法案提出に異論を唱えるのは、筋が通るまい。
自民党の対応も疑問だ。一月の党大会で教育基本法改正を「本年こそ実現する」と誓ったことをもう忘れてしまったのだろうか。防衛庁の省昇格は一昨年の総選挙で公約している。
国の基本政策における原則を忘れた妥協は、自民党への信頼を根幹から損なっていることを直視すべきだ。
http://www.sankei.co.jp/news/050202/morning/editoria.htm