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日本と中国の間に人権・人道意識の差はないのか! 投稿者:野口孝行 投稿日: 1月21日(金)20時01分23秒
「日本の裁判所で難民ではないという認定が出たので、国内法にのっとって送還せざるを得ない」
「調査の結果、難民としての身分は確認できない。人道主義を掲げるなら当該国の国内法に則り合法的な方法と手段で実施すべきである」
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驚くほどの酷似である。冒頭の二つの文を見比べた瞬間、私は言葉を失い自分の目を疑った。最初の声明は、昨日20日、UNHCRよりマンデート難民として認定されていたクルド人の強制送還に抗議を申し入れた福島社民党党首に対する南野法相のものだ(1月20日毎日新聞)。二番目は、昨年中国国内で北朝鮮難民を救援中に拘束された後、中国国内で裁判にかけられた私自身に下された判決の中の一部だ。この二つの見解は、日中両国の難民に対する姿勢を如実に表している。そして何よりも恐ろしいのは、日本が難民問題という普遍的人権の問題で、あの中国とぴったりと寄り添っているということだ。いつから日本は中国のような非人道国家に成り下がってしまったのか。それとも、日本が人権・人道に重きをおく国であるというのはまったくの幻想だったのか。
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既に報道されていますように、今月18日、国連難民高等弁務官事務所からマンデート難民として認定されていたトルコ国籍のクルド人、アハメッド・カザンキランさん(49)と長男のラマザンさん(20)が、本国へと強制送還されました。
当メールの冒頭にもありますよに、今回の強制送還に関しての日本国法務大臣・南野知恵子氏の見解に非常に憤りを感じます。
昨年、中国国内法により難民の身分を否定された元在日朝鮮人の二人は、中国政府により北朝鮮へ強制送還されました。最近になって、一人は送還後処刑されたという情報が伝わってきています。二人を強制送還した行為は、中国自らが批准している国連難民条約の中のノン・ルフ−ルマン原則(強制送還禁止の原則)に明らかに違反するものです。
そして今まさに、中国による非人道的な行為とまったく同じ事がこの日本国内で進行しています。これまで私たちの団体は、中国は国際法を遵守しない非人道主義国家であると強く非難してきましたが、実は私たちの国・日本も国際法を遵守しない中国と同質の非人道主義国家であるということが露呈してしまいました。残念でなりません。
今回の措置は、「国際協調を強め、国連を軸に世界に貢献していく」「国連常任理事国を目指す」という日本の国是に反するのは明らかです。
言うまでもなく日本は、国連難民条約の批准国であり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に対し年間100億円以上(2002年)を拠出する世界でも最大級の拠出国です。そのような国がなぜ今回のような非人道的な措置を取りえるのでしょうか?最大級の金を出しUNHCRを支えながら、一方難民条約の精神に相反する行動を取る。どうしても理解することができません。
今月24日に、残された家族は東京入国管理局に出頭する予定です。彼らはそこで拘束され、トルコに強制送還される可能性があります。今回のこの事件はクルド人問題であるのはさることながら、実は私たち日本人一人一人の人権意識が試されている象徴的な出来事といえます。
いま日本国によって推し進められている非人道的な措置に対し、私たちは毅然とした態度で立ち向かうべきではないでしょうか。また、書き込みを目にしてくださった中に報道関係の方たちがいましたら、このクルド人強制送還問題を広く取り上げていただき、同時に日本人の人権意識への問題提議という切り口からも深く掘り下げていただきますよう、誠に勝手ながら、お願い申し上げます。
長々と失礼いたしました。
2005年1月21日
北朝鮮難民救援基金
野口孝行
http://538.teacup.com/koretune/bbs
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*野口さんは中国刑務所での刑期を既に終え、日本に帰国されてるようです。