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http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050131it12.htm
文部科学省は31日、1月末で任期が切れる中央教育審議会(文科相の諮問機関)の新委員28人を発表した。
定員は30人だが、全国知事会、全国市長会、全国町村会の代表3人を委員に選ぶよう要求する地方6団体側と、「2人が限界」とする文科省側との調整がつかず、地方側2人の枠を「空席」としたままの発表という異例の展開となった。背景には、国と地方の税財政を見直す三位一体改革で焦点となっている義務教育費国庫負担制度をめぐる文科省と地方の激しい対立がある。双方とも譲歩の気配はなく、中教審の実質的な議論がいつ開始されるかメドは立っていない。
義務教育費国庫負担制度については、地方側は制度を廃止し税源を地方に移譲するよう要望する一方、文科省は制度の堅持を主張している。昨年11月の政府・与党合意で、「義務教育の在り方については2005年秋までに中教審で結論を得る」とされたため、中教審は昨年12月に義務教育特別委員会を新設し、今秋までに意見を取りまとめることとした。
文科省は、この特別委に知事会、市長会、町村会の代表3人を入れ、1月中に審議を始める方針だった。しかし、地方側は中教審本体の委員にも代表3人を選ぶよう要求。「2人か3人か」の争いは、制度の存廃をめぐる争いの前哨戦の様相を呈しており、調整がついていない。
文科省が地方代表枠を空席としたまま委員の名簿を発表したことについて、地方6団体は31日、「知事、市長、町村長の代表が選任されていないのは極めて異常な事態で、文部科学行政における地方軽視の現れだ」と非難するコメントを発表し、強く反発した。
これに対し、文科省は「地方代表は、給与を負担する都道府県と学校を設置管理している市町村の代表の2人で十分。中教審は、学習指導要領の見直しや教員免許更新制など多くの課題を抱えており、他の問題についての審議が進まないのでは困る」としている。2月中旬にも中教審総会を開いて分科会の構成などを決めたい意向で、地方側の委員不在のまま、中教審の審議を始める可能性もある。
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中教審委員には、前中教審会長を務めた鳥居泰彦・慶応義塾学事顧問が再任されたほか、ノーベル化学賞受賞者の野依良治・理化学研究所理事長や音楽評論家の湯川れい子さんらが新たに選ばれた。女性は2人増の11人。任期は2年間。
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第3期中教審委員は次の通り。(敬称略)
相沢益男(62)(東京工業大学長)、赤田英博(50)(日本PTA全国協議会長)、安彦忠彦(62)(早稲田大教授)、安西祐一郎(58)(慶応義塾長)、飯野正子(61)(津田塾大学長)、井上孝美(67)(放送大学学園理事長)、猪口邦子(52)(上智大教授)、江上節子(54)(JR東日本フロンティアサービス研究所長)、衛藤隆(55)(東京大大学院教授)、梶田叡一(63)(兵庫教育大学長)、加藤裕治(53)(自動車総連会長)、金子元久(54)(東京大大学院教授)、木村孟(66)(大学評価・学位授与機構長)、黒田玲子(57)(東京大大学院教授)、見城美枝子(59)(エッセイスト)、郷通子(65)(長浜バイオ大教授)、佐藤友美子(53)(サントリー不易流行研究所部長)、角田元良(60)(東京都千代田区立麹町小学校長)、寺島実郎(57)(三井物産戦略研究所長)、鳥居泰彦(68)(慶応義塾学事顧問)、中島嶺雄(68)(国際教養大理事長)、野中ともよ(50)(ジャーナリスト)、野依良治(66)(理化学研究所理事長)、増田明美(41)(スポーツジャーナリスト)、松下倶子(66)(国立少年自然の家理事長)、茂木友三郎(69)(キッコーマン会長)、湯川れい子(69)(音楽評論家)、横山洋吉(62)(東京都教育長)
(2005/1/31/20:33 読売新聞 無断転載禁止)