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NHK発表でも1973年当時に二百六十八万世帯が受信料不払い
桁の違う話をしているのは、皆が不勉強だからである。
以下、1981年に出版した拙著、『NHK腐蝕研究』から抜粋する。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/nhk-2-5.html
電網木村書店 Web無料公開『NHK腐蝕研究』
[中略]
第二章 NHK《受信料》帝国護持の論理
(2-5)“契約率”と“普及率”のNHK式用語研究
“契約率”と“普及率”のNHK式用語研究
さて、これまでは、“設置率”と“契約率”、“収納率”といった表現を使ってきた。これが常識的な用語である。ところが、“放送用語”の研究までしているNHKは、受信料収納率の低下をごまかすために、“普及率”という独特の用語を発明していたのである。
たとえば、NHKの最新かつ最大規模の公史、『放送五十年史』の資料編には、第2〜3表(詳しい数表の画像あり)のように、この“普及率”の数字が年度別に明記されている。だが“普及率”は、正しい日本語に直すと、“契約率”でしかなかった。
このカラクリがはからずも暴露されたのは、この公史発刊の準備中のことであった。『NHK国営化の陰謀』という単行本の著者は、匿名だが、電波ジャーナリズムの関係者らしい。そして、この“普及率”の正体“あらわる”の瞬間をこう描いている。
「このトリックがはからずも暴露される日がやってきた。
昭和四十八年二月、郵政省の記者クラブで、NHKの四十八年度予算案の説明中、ある記者が『収納率は別として、受信機を設置しながら、NHKと契約していない未契約の数字はどのくらいか』と質問した。この質問に対して、NHKの担当部長は、はじめ言葉をにごしていたが、きびしい追及に抗し切れず『テレビを設置しながら、NHKと受信契約していない一般家庭の未契約世帯は、現在ざっと二百六十八万世帯である』と答えた。
本来、部外秘になっている数字を、この部長はうっかりともらしてしまったのだ。うっかりとはいえ、NHK側が自ら未契約の実態を明らかにしたのは、これがはじめてのことであった。
間もなく発表されたNHKの四十六年度業務報告書によると、四十七年三月末現在の普及率――実は契約率は、全国平均で八十四・四%、残り十五・六%が未契約となっており、この事実をさらに裏付けた。『普及率』、つまり契約率の低いのは、東京七十四・七%、大阪七十七・○%、京都七十八・七%、兵庫七十九・八%、高知七十四・二%などで、高知は別として、一般的にみて都市部に未契約者が多く、農村部は少ないという傾向をみせている。
なお、この比率の基礎となっている契約者数は世帯、事業所の合計分となっているので、一般世帯の『契約率』は、この比率をさらに下回るはずである。このため、NHKがいうように、いくら収納率が九十九%と力説しても、この収納はすでに契納した者のなかでの収納だから嘘である。実際の収納率を出すとすれば『八十四%×九十九%=八十三・一六%』となり、NHK発表から約十六%値引いて考えなければならない」(同書)
これが八年前の一九七三(昭和四十八)年のこと。当時のNHK発表でさえ、二百六十八万世帯がテレビを設置しながら、“未契約”というのだ。しかも、“契約”したなかにも、百万近い“未収”があるのだから、合わせて三百六十万世帯ぐらいは、ともかく受信料を払っていなかったことになる。この他に、「事業所」の不払いも百万ではきかない。
問題は、こういう数字が、国会で追及されたり、新聞で大きく取り上げられたりしたかということだが、新聞でやってないのは、大方御存知のこと。それらしい記事が、ちらりと出ただけだ。国会でも毎年取り上げられるが、徹底追及はない。肝心なところはNHKの方で、「その数字は把握しておりません」などとシラを切る。
いま引用したばかりの「二百六十八万世帯」についても、前田会長(当時)が「明年度中に捕捉される契約の対象……不払いと全く関係がございません」(一九七三年三月七日「逓信委議事録」)とツッバリ切っている。しかし、その年度の契約増“予定”は「六十万」だったのだ。この状況も全面追及したいところだが、それだけで一冊の本になりそうだ。
[後略]