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◆「爆発物は自作」と供述
救急隊員に寄り添われて歩く女生徒ら(10日午前11時25分、山口県光市の光高校で) 10日午前10時ごろ、山口県光市光井、県立光高(弘中幸雄校長、580人)で、授業中に同校3年の男子生徒(18)が校舎2階の廊下から、同階の3年1組の教室内に、火薬が入ったガラス瓶を投げ込んだ。ガラス瓶は爆発し、正午現在で生徒57人が市内の病院に搬送され、手当てを受けた。男子生徒1人が重傷。投げ込んだ男子生徒は別のクラスの生徒で、隣の教室で授業をしていた男性教諭が取り押さえ、県警が同10時10分、傷害の現行犯で逮捕した。
県警の調べに対し、逮捕された男子生徒は落ち着いた状態で、「(爆発物は)自分で作った」と供述。県警は動機を追及している。
同校などによると、当時、3年1組では37人が2時間目の数学の授業を受けていた。ガラス瓶は教壇付近で爆発。十数人が出血するなどし、教室内の生徒と、他のクラスの生徒16人も市立光総合病院と市立大和総合病院に運ばれた。耳をつんざくような爆音で、事件当時、教室内はパニック状態になったという。
市病院局管理部によると、生徒たちは「耳鳴りがする」「目が痛い」などと訴えており、「爆発音による聴覚障害が多いようだ」としている。
3年1組の男子生徒によると、ガラス瓶は長さ約20センチで、瓶は紙の筒に包まれていたという。
県教委によると、事件直後、学校側は授業を中止し、生徒を体育館に集めて、動揺しないように指導し、午後から下校させた。
学校側は同日午後7時から同校で保護者への説明会を開く。県教委は片山哲男・教育次長らを同校に派遣し、情報収集を急いでいる。
現場は国道188号線の北側。光市中心部近くで、住宅地に隣接。周辺には光署のほか、消防署、中学校、小学校がある。
◆教室に爆発音、生徒ら悲鳴
会見する弘中校長(10日午後0時4分、光高校で) 爆発物が投げ込まれたのは午前10時ごろ。生徒たちは何が起きたか把握できず、教室内は「キャー」という悲鳴で騒然となった。間もなく、救急車数台が到着。負傷した生徒たちは市内の病院に搬送された。
男子9人、女子20人が運ばれた市立光総合病院では、生徒たちが救急処置室前のソファに横たわり、口元に紙袋やビニール袋をあて、呼吸を落ち着かせるための処置を受けていた。体を震わせ、うめくように声を出す生徒もいた。
肩と手に負傷した男子生徒は「黒板を見ていたら突然、火花のようなものが見え、その瞬間耳が聞こえなくなるような大きな音がした。何があったのか全く分からない」と話していた。別の男子生徒のTシャツの脇腹には血が付いていた。
市立大和総合病院では、運ばれてくる生徒のため、入り口前で医師や教諭ら約10人が待機。数人の生徒が車いすに乗り、腕に包帯を巻いている生徒もいた。
3年3組の女子生徒は「バンという音が聞こえて、ガラス窓がふるえた。今までに聞いたことがないくらい大きな音で、クラス中がパニック状態になった。泣き声や悲鳴が聞こえた。そのほかは、よく覚えていない」と話した。
同病院に駆け付けた保護者の1人は「学校から『病院に行ってください』と連絡があり、あわてて来た。子どもの元気な姿を見て安心したが、腰が抜けるかと思った」と語った。
学校にはテレビの速報を見た保護者らが続々と詰めかけた。しかし、校内で何が起きたか状況がはっきりせず、「様子が分からないので心配」「ニュースを見てびっくりした」と不安そうに事態を見守った。
事件当時、別の教室にいた1年の女子生徒は「突然、女子の悲鳴が聞こえた。何が起こったのでしょうか」と青ざめた表情で話した。生徒たちの動揺が激しいため、県警は校内にテープを張って、報道陣を立ち入り禁止にしている。
けがをしていない生徒らは午後0時55分ごろから、教師の指示を受けながら下校を始めた。心配して駆けつけた保護者の手をしっかり握って下校する女子生徒の姿も見られた。
弘中幸雄校長は出張先から同校に戻り、記者会見。「生徒を体育館に集め、動揺しないように指導しているが、ショックを受けた生徒もいるようだ。生徒は午後から下校させる。病院に運ばれた生徒の状態は治療中で詳しく分からない」と話した。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_05061021.htm