現在地 HOME > 日本の事件16 > 894.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 募金集団の男ら取り調べ 偽求人広告で学生雇う [共同通信] 投稿者 white 日時 2005 年 5 月 31 日 16:17:29)
□闇の正体!善意の募金に重大疑惑 [毎日放送 VOICE]
http://mbs.jp/voice/special/200412/1224_1.html
闇の正体!善意の募金に重大疑惑
■ 2004/12/24 放送
------------------------------------------------------------------------
VOICEが今年1年間お伝えしてきたシリーズ「闇の正体」。
今年最後に暴くのは、謎の募金集団です。
この冬、街頭でよくみかける緑色のジャンパーを着て「難病救済」を呼びかける募金集団。
集めた善意のお金は、一体どこへ行くのか?
その先には、ある“疑惑”が待っていました。
大阪駅前第四ビルの前。
年末ジャンボ宝くじの売り場のすぐそばで、その集団は声を張り上げていた。
「難病の子を救うために、募金お願いしまーす」
「よろしくお願いしまーす!」
全国で難病に苦しむ20万人もの子どもを救うために、協力してほしいと言う。
募金箱には、次々と善意が寄せられていく。
募金のスタッフはほとんどが若者。
高校生もいる。
看板をみると、NPO緊急支援グループとある。
だが、連絡先は書かれていない。
聞いてみた。
<記者>
「募金…ですか。何につかわれているんですか?」
<スタッフ>
「医療費です」
<記者>
「こんなにたくさん難病の子がいるんですか」
<スタッフ>
「そうみたいですね」
募金はある“ボランティア団体”に振り込んでいるというが。
<記者>
「連絡先を教えてもらいたいんですけども」
<スタッフ>
「連絡先…。番号教えてもらえればかけ直せるんですが」
自分たちの連絡先は教えられないという。
そんな募金があっていいのか。
我々は追跡を始めた。
午後9時半過ぎ、大阪駅前で街頭募金を終えた集団は、募金箱をまとめ、移動を始めた。
地下鉄を乗り継ぎ、天王寺駅で下車。
募金箱と看板を重そうに抱えている。
そこで待ち受けていたのは、黒いスーツの男。
男のレンタカーに募金箱が次々と運び込まれていく。
みんな手なれた様子だ。
何かしきりにメモを取る男。
そして…。
<記者>
「あ、お金渡した、お金渡した!」
男は、何人かの若者に現金を渡し終えた後、大阪市内の民家に募金箱を運びこんだ。
20、30箱はあっただろうか。
一体、あの金はどうなるのか。
彼らが寄付先としてあげた“ボランティア団体”に電話してみた。
すると。
<記者(電話で)>
「えっ、振り込まれているんですか!」
先月末、一回だけ、51万円の振り込みがあったという。
だが、奇妙なことに、裁判所から募金が振り込まれたかどうかの問い合わせがあったというのだ。
裁判所が実態を知りたがる募金集団とは、一体…。
翌日、午前9時、50人くらいの若者たちが、同じ場所に集まっている。
中心にいるのはやはり、あの黒いスーツの男だ。
若者から契約書のような紙を回収している。
今度はベンツに乗ってきた。
そして、仲間の女が運転してきた車から、募金箱が下ろされた。
皆おもむろに募金に向かっていく。
我々は、潜入を試みた。
<記者>
「無償でいいのでこういう活動に興味があるんですけど、どうやって入ったらいい…?」
<スタッフ>
「友達に頼まれて手伝っているだけなんですよー」
しかし、相変わらず連絡先は教えない。
<記者>
「朝からやっている?」
<スタッフ>
「もう1時間ぐらい」
<記者>
「これボランティアですよね?」
<スタッフ>
「はい」
<記者>
「給料なしで?」
<スタッフ>
「はい(笑)」
雨の日も、募金は休まない熱心な集団。
だがひょんなところから、正体が見えてきた。
インターネットの求人欄。
「仕事・ケーキの試食配り 時給1,000円以上」。
我々の目が止まったのは、オーナーの名前。
募金集団が警察に出していた、道路使用許可証に記された代表者と同じ名前だったのだ!
<アルバイト先のスタッフ(電話)>
「地下鉄四つ橋線難波駅の32番出口に来ていただけますか?地上に出たところまで来ていただければこちらからそこへ行きますので」
電話をかけると、ある地下鉄の駅の出口で履歴書を持って集合してほしいという。
午後6時。その地下鉄の出口には、10人ほどの若者が集まっていた。
そしてそこに現れた人物とは!
あのスーツ姿の男だったのだ。
男は履歴書を回収しながら、路上で面接を始めた。
面接が終わった女性に、接触を試みた。
すると。
<アルバイトに応募に来た女性>
「ケーキのバイトは競争率が高い。募金のスタッフも、と言われた。時給1,000円と言っていました」
ケーキの試食のバイトといいながら、募金のバイトを勧められた、というのだ。
さらに求人情報に記された住所の喫茶店をたずねると…。
<喫茶店店長>
「うちの常連客から『親戚が人を募集するから名前を貸してくれない?』といわれた」
<記者>
「それは○○○さん?」
<喫茶店店長>
「そうそう。ホント、迷惑ですよ、被害です」
われわれはNPO“代表者”の自宅に向った。
だがその人物は、例の『スーツの男』ではなかったのだ。
<男>
「関係ない。わからんわしは」
事情は知っているはずだ。だが…。
<記者>
「アルバイト使って募金しているのはおかしいじゃないですか。NPOも存在しないじゃないですか?」
<男>
「しまいには怒るぞ!」
<記者>
「でもNPOない…」
<男>
「ゴチャゴチャ言うな、そんな」
<記者>
「どこに募金振り込まれているんですか?」
<男>
「……」
募金の振り込み先は、明らかにしない。
こうなったら、募金している若者から話を聞き出すしかない。
<記者>
「集めたお金はどういう形で回収しているの?」
<スタッフ>
「天王寺で社長に全部渡している」
<記者>
「1日どれくらい集まっている?」
<スタッフ>
「50万円くらいいっている」
<記者>
「募金してバイト代もらうのはちょっと変じゃない?」
<スタッフ>
「そう思います」
さらに、彼らがバイトをする時に書かされている『念書』を入手することができた。
そこに、驚くべき記述が!
「連絡先を聞かれたら、連絡先や名前を言わず、『上(ウエ)のものに連絡させますので連絡先を教えてください』と言い、連絡先を聞き、リーダーにいう」
「常に大きな声を出して募金を呼びかけてください。一般の人や周りから『頑張っているかどうか』の判断は『声を出しているかどうか』です」
募金集団の実態は、時給1,000円で雇われた集金組織だったのだ。
そして、代表者でもないのに、募金集団を束ねるスーツ姿の男。
毎日のように、大量の募金箱が運び込まれるその家に、男のもう一つの「顔」が隠されていた。
実は男は、“クワガタ投資ビジネス”を展開、ほかにもコンピューターソフトの開発なども手がける事業家だった。
だが、1億円以上の負債を抱え、今年7月に破産していた。
我々は、裁判所の資料の中から、募金にまつわるメモを見つけた。
●10月23日 79万9,000円
●10月24日 92万3,500円
1日で集めた募金総額だろうか?
しかし、ボランティア団体に寄付したことがわかっているのは、わずか51万円。
他の金は、どうなったのか。
難病救済を訴えかけ集めた金であるなら、当然、使い道は明らかにできるはず。
スーツ姿の男に電話をかけると。
<記者>
「もしもし、○○さんですか?」
<スーツの男>
「はい」
<記者>
「募金はどういった用途で使われているのでしょうか?」
<スーツの男>
「用途はちゃんとやっている。NPOから説明があります」
<記者>
「でもこれ、ボランティアでやられているわけですよね?」
<スーツの男>
「あの、私自身は、ですけど」
<記者>
「スタッフの方もそうですよね?」
<スーツ姿の男>
「人によっては違います」
<記者>
「ボランティアでやっていない方もいらっしゃる?」
<スーツ姿の男>
「基本的には皆ボランティアですよね」
<記者>
「ボランティアじゃない方っていうのは…」
<スーツ姿の男>
「あの、取材のほうは拒否させてもらっております。弁護士も立てさせてもらう」
<記者>
「じゃ、弁護士を通して取材させてもらえる?」
<スーツ姿の男>
「えーっと、全部…(ブツッ)」
スタッフは基本みんなボランティアで、募金の用途はNPOの代表者から説明があるが、取材は断わっているという。
債権者側の弁護士は、かねてからこの募金を疑っていた。
<債権者側の浅井健太弁護士>
「被害者の確定に尽きますね。彼らの趣旨に賛同して募金をしたがその趣旨が偽りのものだった。その趣旨のとおりお金が使われていない、ということが確定できれば立件は十分可能だと思いますね」
NPOの専門家もこう話す。
<龍谷大学・松浦さとこ助教授>
「募金するほうも不安ですよね。自分が寄付したお金が最終的に困っている人に届くのか、役に立っているのか。そういうことがきちんと説明できない団体が募金を行っていること自体が問題だと思います」
<街行く人>
「えっ、だまされているかもわからんの?そこまで考えて募金してないもんなあ」
街行く人の善意をかき集める、謎の募金集団。
だが、その金の多くは、いまだやぶの中にある。