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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050514-00000006-yom-soci
「防護無線、作動せず」尼崎事故で車掌証言
兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、快速電車の車掌(42)が県警尼崎東署の捜査本部の事情聴取に対し、付近を走行中の列車に緊急停止信号を発する列車防護無線機について、「事故発生後に発信させようとしたが、作動しなかった」と証言していることが14日、わかった。
県警も証言通り、車掌室にある防護無線機の作動ボタンが押されていたことを確認した。防護無線機は、異常に気付き、現場手前約100メートルで緊急停車した対向の下り特急電車の運転士が発信させ二重事故を防いだが、県警は、快速電車で作動しなかった原因と、車掌や脱線の連絡を受けた指令員の事故後の対応を詳しく調べている。
調べや関係者の話によると、快速電車の最後尾7両目の車掌室にいた車掌は脱線直後、防護無線機のボタンを押したが、作動を示す警報音が鳴らなかったため、「事故の衝撃で故障したと思った」と話しているという。
一方、事故の約2分後、現場の手前約300メートルを走行していた特急電車「北近畿3号」の運転士が、約250メートル先の踏切脇にある特殊信号発光機が赤色点滅しているのに気付き、非常ブレーキをかけて停止。ほぼ同時に防護無線機を発信した。
JR西日本によると、快速電車の7両目は車両に大きな損傷はなく、事故で架線が切断されたとしてもバッテリーを内蔵しており、同社は「故障は考えにくい」と説明。防護無線機による緊急停止信号を受けた周辺の車両では、作動させた車両が解除するまで警報音が鳴り続けるといい、「北近畿の運転士が作動させた後だったため発信されなかったのではないか」としている。
乗務員の作業手引をまとめた同社のマニュアル「列車乗務員作業標準」によると、車掌が緊急時に行う列車防護として、防護無線機のほか、発炎筒の発火や、対向の信号機を赤にする軌道短絡器の設置などの代替措置が示されている。
(読売新聞) - 5月14日14時34分更新