現在地 HOME > 日本の事件16 > 738.html ★阿修羅♪ |
|
□尼崎脱線事故 目撃者5人証言 衝突までの「異変の瞬間」 [毎日新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050509-00000001-maip-soci
尼崎脱線事故 目撃者5人証言 衝突までの「異変の瞬間」
見慣れたはずの電車が異常なスピードで目の前を駆け抜け、脱線・転覆、マンションに激突した。兵庫県尼崎市で4月25日に起きたJR福知山線脱線事故。「車輪が30センチ浮き」「電車の裏側が見え」「スーッとマンションに突っ込んだ」……。近所の主婦や工場で働く人たちは、事故直前から衝突までの「異変の瞬間」をそれぞれの位置で目撃していた。そして、誰もが白い土煙の舞う現場へと救助に駆けつけた。目撃者5人の証言を重ね合わせ、未曽有の脱線事故にいたる直前の「数秒間」を再現する。【大場弘行、八田浩輔】
《証言1 現場北約240メートル、福知山線をまたぐ陸橋》
「えらい飛ばしとるな」。自転車を押して陸橋を渡っていた鉄工所経営、挟間(はざま)美喜雄さん(59)は、いつもと違う電車にふと目をとめた。電車がごう音を立てながら足元を通り抜けていった。
《証言2 北西約120メートル、線路西側の路上》
金属加工場の従業員、谷本英樹さん(36)は、工場前の道路から50メートル先を走る電車を見た。遠目から見ても、明らかに電車の窓が流れるスピードが速かった。「事故るんやないか」。不安が走った。
《証言3 北約90メートル、線路東側の工場前》
線路側を見ながら知人と携帯電話で話していた鉄工所経営、灰山季久雄さん(65)は、わが目を疑った。電車が「ジェット機の逆噴射のようなごう音」をたてながら通り過ぎた。そう思った途端、「ドーン」という衝突音が響いた。3年前にできたマンションの方で土煙が上がり、目の前に最後尾の7両目が止まっていた。
《証言4 北約90メートル、線路西の側道》
線路をはさんで灰山さんとちょうど反対側にいた。自転車に乗っていた男性会社員(63)は、電車に追い抜かれる際、不思議に思った。「いつもの『ゴーッ』という走行音が、フッと軽い音になった」。横を向くと、「先頭車両が斜めに傾き、内側の車輪が30センチほど浮いていた。そのまま『スーッ』とマンションに突っ込んだ」。3両目の車両が横向きになった2両目に激突。ごう音とともにガラスの破片がバラバラと飛んできた。立ち木に身を隠した。足が震えて止まらなかった。「阪神大震災で自宅が全壊したが、今回の方が怖かった」
《証言5 南西約80メートル、踏切》
踏切で電車の通過を待っていた40代の主婦は、金属がこすれるような音がしたので、何気なく電車の方を見ると、1、2両目の内側の車輪が浮いていた。いつものガタンゴトンという音もせず、「電車の裏側が見えたと思ったら、浮いて滑り込むような感じでマンションに突っ込んでいった」。鉄が焼けるにおいが辺りいっぱいに立ちこめた。すごい風と煙でよろけて転びそうになった。うめき声、叫び声が聞こえたので、遮断機をくぐって現場に向かった。
(毎日新聞) - 5月9日10時23分更新