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自転車 悪質運転に赤切符 大阪府警
目に余る違反 厳罰主義へ転換
今年に入り大阪の交通事故死者数が全国最悪の水準となり、府警は九日までに、死者増加の大きな要因になっている自転車の悪質な交通違反に、刑事処分につながる「交通切符」(赤切符)を切る異例の取り締まりに乗り出した。制度上、自動車やバイクの比較的軽い違反に、前科とはならない反則金を科す「交通反則切符」(青切符)は自転車に適用できないため、罰金を含むより重い処分となるが、府警は「大阪の自転車の違反は目に余る」と強行策の採用を決めた。
二月上旬に府警交通部が各警察署に通達した。対象は、自転車についても道路交通法で禁じられている信号無視や二人乗りなど。警察官が再三注意しても続ける悪質な違反には躊躇(ちゅうちょ)なく赤切符を切ることにした。
すでに先月二十四日、大阪府枚方市内で何度も指導、警告したのに自転車の二人乗りをやめなかった男子大学生(19)について、道交法違反(定員外乗車)容疑で赤切符を切って摘発。この大学生は近く家裁送致される見通しになっている。
府警によると、自転車に対する赤切符はこれまで年間数件程度にとどまっていた。例えば二人乗りでは、ミニバイクだと交通反則切符で反則金五千円なのに対し、自転車では交通切符で二万円以下の罰金になるという「ねじれ」が起きるのを避けるためだったという。
今回の決定はこの政策を一転させたものだが、背景にある大阪の死亡事故増加傾向は深刻だ。二月の府内の交通事故死者数は二十八人で、月間ベースでは、十一年三月以来の全国ワースト一位だった。一−二月の二カ月の統計でも五十六人と全国最悪。このうち自転車に乗っていた死者は前年同期比八人増の十八人と目立って急増している。
また府警によると、府内で自転車が関係した交通事故は昨年、二万百五十六件と過去最悪を記録。死者六十二人は、全体の死者数(三百十三人)の約二割を占めている。
府警交通総務課は「取り締まり強化で事故増加に歯止めをかけたい。『たかが自転車』といって違反すれば、加害者にも被害者にもなることを訴えたい」としている。
■青切符と赤切符 昭和43年、車社会の発達で「1億総前科」と呼ばれるほど違反者が急増、比較的軽い違反者に対して刑事処分の代わりに反則金ですます「反則通告制度」を規定した改正道交法が施行。反則金納付を求める告知書などの書類を「交通反則切符」(青切符)と呼ぶ。一方、悪質な違反者に出頭を求める書類が「交通切符」(赤切符)。赤切符の場合、交通即決裁判所で略式命令を受けるのが一般的で、罰金刑以上なら前科になる。道交法改正当時、自転車の違反は想定されていなかった。
http://www.sankei.co.jp/news/evening/10iti001.htm