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13歳未満狙った性犯罪 出所後動向、6月から把握
対象は年間百数十人 警察庁
奈良市の小一女児誘拐殺人事件を契機に、法務省から警察庁に提供されることになった性犯罪者の出所後の居住地情報について、警察庁は四日、十三歳未満の児童を対象とした婦女暴行など四つの罪種で服役した出所者に絞って、法務省から情報提供を受けることを決めた。村田吉隆国家公安委員長が、同日の閣僚懇談会で報告した。今年六月一日から運用を開始する。
両省庁間はすでに、「十三歳未満(小学生以下)の児童を対象とした身体的な暴力を伴う性犯罪」を対象に、前歴者の居住地情報をやりとりすることで合意。性犯罪の前歴者について、警察庁で行っていた再犯状況の調査結果も踏まえながら、対象とする犯罪の種類などについて協議を進めてきた。
その結果、婦女暴行▽強盗婦女暴行▽わいせつ目的の略取・誘拐▽強制わいせつ−の四つの罪種で服役した出所者に絞って、警察庁が法務省から居住地情報の提供を受けることが決まった。
四つの罪種に絡む出所者は年間で百数十人程度に上るとみられ、警察庁では今後、現行法制下で前歴者の出所後の居住状況を確認するとともに、転居した場合には出所後の動向などを踏まえて転居先の確認にも努めていく方針だ。
また、見知らぬ大人から子供が声をかけられるといった「声かけ・つきまとい事案」が発生した場合には、行為者を特定するために情報を活用。犯罪行為が認められれば検挙に踏み切るほか、犯罪行為に至らなくても警告などを行って犯罪の未然防止を図る。
性犯罪が発生した場合には、被害拡大を防止する観点から、捜査にも情報を活用する。
一方、前歴者による凶悪事件が相次ぐ中、法務、警察の両省庁では、居住地情報の提供範囲について、十三歳未満の児童を対象とした性犯罪以外にも拡大する方向で引き続き協議を進める。
≪昨年検挙の466人 再犯率は26%≫
全国の警察が昨年一年間に、十三歳未満の児童を対象とした性犯罪(婦女暴行、強盗婦女暴行、強制わいせつ、わいせつ目的略取・誘拐)で検挙した容疑者四百六十六人のうち、全体の15・9%に当たる七十四人が過去に児童への性犯罪で検挙されていたことが四日、警察庁のまとめで分かった。児童買春・児童ポルノ法違反、痴漢、下着盗といった関連犯罪も含めると、再犯率は全体の25・8%(百二十人)に上っている。
これまでの統計方法では、婦女暴行や強制わいせつといった性犯罪は、同一罪種でのみ再犯率を集計。強制わいせつの前歴を持つ容疑者が婦女暴行で逮捕された場合は再犯率に反映されなかったため、警察庁では関連犯罪も含めて幅広く再犯状況を調べていた。
児童対象の性犯罪の再犯率(15・9%)は、傷害=20・4%▽恐喝=20・0%▽詐欺=17・9%▽窃盗=19・0%−と比べると決して高い数値ではなかった。
しかし、警察庁は児童を対象とした性犯罪について、(1)犯罪の回避能力が低い(2)心身に受けるダメージが大きい(3)保護者など地域社会に与える不安が大きい−といった理由から、前歴者による再犯防止対策に取り組む必要があるとしている。
http://www.sankei.co.jp/news/evening/05iti001.htm