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盗聴実態
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投稿者 ひまわり 日時 2006 年 10 月 29 日 22:36:03: Sg7Ix95MNzVys

そのうちに盗聴実態をここに記すつもりです


宮崎学氏、宮台真司氏が重大発言
これが「盗聴法」廃止の秘策だ!

“自自公”の党利党略から成立した「盗聴法」だが、施行まで1年、まだ引き返すことは可能だ。「盗聴法」反対の論陣を張ってきた宮崎学(作家)、宮台真司(社会学者)の両氏が明かす、捲土重来、乾坤一擲の秘策とは?

寺澤有(『The Incidents』編集長) 1999年10月1日
いまだ見えない「盗聴法」の具体像

 1999年8月12日、「盗聴法」が第145回国会で成立した。“自自公”(自民、自由、公明)3党の圧倒的議席数のもと、野党(民主、共産、社民)は「牛歩」で採決を遅らせるのが精一杯だった。
 前回の衆議院議員選挙(1996年10月)でも参議院議員選挙(1998年7月)でも、「“自自公”(自由、公明両党に分かれる前の新進党を含む)が連立政権を目指す」という議論は一切出ていない。むしろ、自民党に対抗する勢力として自由党や公明党を支持した有権者が多かったはずである。
 にもかかわらず、自由、公明両党は有権者に何の相談もなく自民党と連立し、これまた選挙の争点になっていない「ガイドライン関連法」、「国旗・国歌法」、「盗聴法」、「住民基本台帳法」(改正)などの重要法案を次々と成立させた。
 このような政局を見せつけられれば、国民の政治離れが進むのも当然だ。政治家や政党の主張を信じ、まじめに投票した人ほどバカを見る。
 とりわけ公明党は、1998年3月、「盗聴法」が国会に提出されて以来、ずっと反対の立場を表明してきた。1999年2月1日発行の『盗聴法ニュース』では、浜四津敏子公明党代表代行が以下のように述べている。
「盗聴捜査が、通信の自由という憲法上の人権を侵害する可能性が大きいというだけでなく、盗聴という手段には歯止めが効かない。国家権力の都合で、政治的に利用されてしまう危険性が大きいという歴史的教訓があります」
 この発言からわずか2カ月後、公明党は突如、「盗聴法」賛成の方針を決める。“自自公”連立が現実のものとなり、「もはや『国家権力』である自分たちにとって、盗聴を『政治的に利用』しない手はない」と思い直した。そう感じられるぐらいの豹変ぶりだった。
 本来、「盗聴法」は第145回国会で審議に入る予定すらなかった。それが“自自公”の党利党略に法務省と警察庁がうまく乗る形で成立した。衆議院でも参議院でも、“自自公”が質疑を打ち切り、強行採決の挙に出た。
「盗聴法」は「日本国憲法」第21条第2項後段が定める「通信の秘密は、これを侵してはならない」にハッキリ違反する。たとえ賛成論者が言うように「通信の秘密も『公共の福祉に反しない限り』(『日本国憲法』第13条後段)という制限がある」としても、「盗聴法」によって制限される「通信の秘密」の範囲、それが妥当であるか否かは国会審議からサッパリ見えてこなかった。
 とにかく「何も具体的に定まっていない」という印象だ。「この状況でよく採決できた」と率直に感心する。
 政府は「盗聴法」を「通信傍受法」と呼び、「組織的犯罪対策の一環」と喧伝してきた。しかし、「盗聴法」の条文を見る限り、いわゆる「暴力団」や「マフィア」だけが対象になっているわけではない。それならば、一般市民の通話がどこまで盗聴されるのか。まったく不明である(アメリカでは、政府自身が「盗聴の83%が犯罪と無関係」というデータを発表している)。
 盗聴方法にしても同様だ。一般加入電話の場合、「TWS」(Test Work Station)という電話回線の試験に使う機械を利用し、盗聴が行われる。しかし、その「TWS」の仕組みや盗聴の手順などはつまびらかにされなかった。
 携帯電話の場合、現在、「盗聴は技術的に困難」とされる。法務省は「1年以内に国の予算で(盗聴)システムを作る」と答弁してきた。しかし、その「システム」の具体像は明らかにされていない。内容いかんでは、一般市民のプライバシーが脅かされる危険性もある。
 電子メールの場合はもっと深刻だ。犯罪と関係がある電子メールだけを盗聴することは不可能。捜査機関が広範囲に情報収集する結果となる。小規模プロバイダーが最長30日間の盗聴に協力できる保証もない(人的、経営的余裕がない)。
 そのほか、盗聴によって得た情報の利用法、違法な盗聴をチェックする機能の有効性など、「盗聴法」が施行されるまでわからない点が多すぎる。
続出する不祥事、ウソをつき続ける警察

「盗聴の濫用はあり得ない。警察を信じてほしい」
「盗聴法」が国会で審議中、林則清(はやし・のりきよ)警察庁刑事局長が連発していた言葉だ。それだけ警察が信用されていないという裏返しでもある。
 最近の神奈川県警の連続不祥事を見ても、警察の腐敗は相当に進行している。警察官が証拠のネガを持ち出し、女子大生を脅すことができるのならば、盗聴によって得られた情報が同様の目的で使われる可能性も高い。
 しかも、警察は自らの悪事を隠ぺいし、ウソをつき続ける意志と能力がある。盗聴に関連するものでは、「緒方事件」が有名だ。
 1986年11月、日本共産党国際部長・緒方靖夫氏の自宅の電話が盗聴されている事実が明らかになった。近くの電柱から緒方氏宅の電話回線だけを正確に選び出し(数百回線のうちの1回線)、別の電話回線を接続させてアジトに引き込むという大がかりな盗聴方法であった。
 その後、東京地検特捜部の捜査により、「盗聴は警察の組織ぐるみの犯行」と認定される。ところが、東京地検は捜査機関同士の馴れ合いから、1人の警察官の刑事責任も追及しなかった。実行犯とされた神奈川県警の警察官らは不起訴処分で終わっている。「盗聴法」施行後、警察による違法な盗聴が発覚しても、検察庁が厳正な処置をとるとは思えない。
 緒方氏と家族が国と神奈川県、警察官らに損害賠償を求めた裁判でも、神奈川県民が警察官らに盗聴費用(税金)の返還を求めた裁判でも、「盗聴は警察の組織ぐるみの犯行」という判決が出ている。
 また、マスコミが「緒方事件」を報道する時も、「神奈川県警の警察官らによる盗聴事件」と表現する。それで名誉毀損などの問題が生じたという実例は聞かない。
 つまり、「緒方事件」は「警察が組織ぐるみで違法な盗聴を行った事件」として、歴史に残されているのである。
 この“歴史”に真っ向から挑戦しているのが警察庁だ。「緒方事件」発覚当時の山田英雄警察庁長官にはじまり現在の関口祐弘(せきぐち・ゆうこう)警察庁長官に至るまで、「警察が盗聴を行ったことはない」と国会審議などで言い続けている。
 確かに「不正隠し」やそのための「ウソ」は組織の普遍的な性質かもしれない。とはいえ、客観的な事実が出揃ってから、なおも「不正隠し」、「ウソ」に終始できるのは警察だけであろう。
 1999年5月、丸竹洋三氏(66)という技術者の証言が注目を浴びた。丸竹氏は1993年まで国内補聴器メーカー最大手の「リオン株式会社」(東京都国分寺市)に勤務していた。そこで、「警察に納める盗聴器を作った」というのだ(本サイト「私はこの盗聴器を全国の警察に納入した!」参照)。主な証言内容は2つ。
 @1950年代末、警察庁の「さくら」と呼ばれる非合法組織から依頼を受け、無線式の盗聴器100セット以上を製作、納入、修理した。
 A「緒方事件」発覚から約1年後、島根県警と警視庁から相次いで高性能な盗聴器の製作を依頼された。島根県警のほうは断ったが、警視庁のほうは試作器まで作った。
 これらの証言は「盗聴法」を審議している国会でも取り上げられた。しかし、関口警察庁長官らは「盗聴のための機材は調達していない」と突っぱねた。野党は丸竹氏の参考人招致も要求したが、“自自公”の反対で実現しなかった。

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