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日本の外交が真に機能したのは、明治維新から20年と敗戦後の10年のみとの論に接した。
理由は軍事力にも経済力にも頼れず、悪く言えば舌先3寸に頼るほかない時だったからと言うのである。
この説の是非を云々できる素養はないが案外的を射ているのではと思う。
安倍内閣は朝鮮の核実験に応じておっとり刀の制裁措置を決定した。
人的交流を断ち、経済関係を断ち、船舶の臨検を行う方針だ。これは朝鮮から指摘されるまでもなく通常は開戦通告と見做される行為である。
貿易立国を標榜するわが国にしては随分思い切った決断である。経済大国の日本は朝鮮如き小国との交流は必要なしとの判断か。輸入品はせいぜい松茸や海産物、いくらかの無煙炭などに過ぎない。輸出品の雑貨、くず鉄、放置自転車など何程のものでなし。
しかしこの市場の大きな部分は国交のない中、在日朝鮮韓国人の血の滲むような努力によって開拓されたものである。この貴重さが他の市場に劣る事はない。
核実験は許せない。まして近隣では。この感情は理解できない訳ではない。
わが国は唯一の核被爆国であり、国是として非核三原則を掲げているのである。
だが、同時に唯一の超大国であり世界中の大半の核戦力を保有する米国と安保条約を結び
近隣諸国に脅威を与える存在でもある。
この世界では過去9カ国が核実験を行い、内8カ国が既に核武装している。過去のこれ等の事例に対し抗議声明以外なにか具体的な制裁を加えたのだろうか。制裁を加えることが出来たのだろうか。
あまりにも極端な対応の違いは何を意味するのか。私には朝鮮に対する軽侮と嘲笑の現れに見える。国交や外交や交流は気に入るから行う、気に入らないから断ち切るという者ではない。どんなに気に入らなくても見下していても、そんな気配は微塵も気取られないよう挨拶を交わし交流する。これが外交と言うものであり国際交渉である。
安倍内閣の外交はあまりに拙劣で到底外交の名を冠し得ない。
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