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http://www.mumyouan.com/k/takenoma.html? より転載
太田君の番組を見た人も多いと思いますが、
「戦争」というものを考える時に必要な姿勢は、
戦争がいい、という先入観もひとまず置いておいて、
戦争が悪い、という先入観もひとまず置いておくことです。
それがどれだけ自分の戦争の実体験に根ざしたものであろうが、
「実体験があることと、物事の本質が見えるのとは別問題である」のは、
今までに何度も私が述べたとおりです。
むろん、悟りの体験のように、経験しなければ全く何ひとつも
語ってはならない事もありますが、
経験だけでは、誤認する危険性があるということは、
新刊の「虚無の微笑」を読むと分かるはずです。
経験しつつも、冷静に見なければならないことが沢山あるからです。
知識だけでは論外ですが、「経験だけ」でも論外なのです。
●さて、戦争をテーマにするときにも、
そもそも、戦争の定義すら自分の中でされていない人がほとんどでしょうね。
もしも、戦争ということを、「人を殺すこと」ということよりも
大きな枠で定義すれば「争い」それ自体が戦争に含まれますから。
殺さなくても、
「生殺しに」する方法もあれば、「自殺に追い込む方法」もあれば、
「殺さずに集団的洗脳」という方法もあれば、
「経済戦争」もあればと、いろいろです。
●太平洋戦争についても、「もしもこうだったら、どうだっただろう」
という「事実無根のこと」を考えることは非常に必要です。
事実だけに即してしか物事を考えない人というのは、
少し以前に書いた「駄目なジャーナリスト」と同じです。
それは、記者にはなり得ても、思慮できる人間や、哲学者にはなりえません。
太田君の優れたところは、常に「仮説」を持ってくることです。
もっともあの番組のコンセプトそれ自体が「仮説の提言」であるわけですが。
●そこで、たとえば、第二次世界大戦についても、
いろいろな別の状況下で考えることで、戦争の「是非以前」の問題として
「戦争とは何であるのか」を考えるきっかけになります。
たとえば・・・
1/日本が敗戦した相手がもしもアメリカでなかったら、どうだったか?
2/原爆による敗戦でなかったら、どうだったか?
3/戦後内政干渉されずに、アメリカが、やりっぱなしで、
単に引き上げるだけだったら、どうだったのか?
4/もしも日本が勝っていたら、その後どうなったのか?
5/もしも、まだ今も戦争が続いていたら、どうだったのか?
●今、国民の中に、(人間にとって、いつものことなのですが)、
「なんとなく、ただの雰囲気として蔓延している感覚や考え方」という
ものがあります。
しかし、今私達が持っている、その漠然とした感覚というのは、
あくまでも、アメリカ相手の戦争で、原爆投下があって、
負けた戦争で、しかも、憲法も変えられた、
あるいは国民の望むように変わった、
日米安保というものがある、
アメリカのご都合主義の下にある日本、
そういう状況下で過ごしてきて、その戦後の感覚の中で生じた
「戦争観」であるわけです。しかも、それは世代によって違います。
●国家という戦争と、個人の防犯を混同するなという意見も
番組では言われていましたが、私から見たら、物事の本質は常に同じです。
本質的には、同じですが、ただし、その及ぼす範囲とか、
巻き込むものに違いはあります。しかし、それでも、同じです。
●では、本質においては、戦争の動機は規模が違うだけで「同じ」であるにしても、
個人と国家では何が違うのかとか、同じ国家でも、国が違うとどう
違うのかを考えてみるといいです。
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