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レバノン戦争、ロバートフィスクによる報道(翻訳)
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投稿者 ash 日時 2006 年 7 月 29 日 07:31:04: kQ1E75l8x/Kuo

http://heartland.geocities.jp/fisktranslation/

7月28日(金)「イスラエルの襲来と赤十字の救済ミッション」

国際赤十字の勇気ある人々にとって、レバノンのキリングフィールドを越えて行くそれは、いつもの巡回移動だと思われた。私達が乗り組んだ2台の車の「チームリーダー」、シルヴィ・ソラルは、鋼のような濃茶の髪と瞳をした38歳のフランス人女性だった。イスラエルはこの移動について知らされており、赤十字が「グリーンライト」と呼びたがる通行許可を与えていた。そしてもちろん、私達は危うく死ぬところだった。

ジュネーブ協定をほぼ毎日破っているイスラエル軍とその空軍を信用するのは危なっかしい。

彼らの戦闘機は既に、全ての協定に反して、ティールで民間防衛本部を攻撃し20名の難民を殺している。また、彼ら自身が退去を指示した難民達の貨物を二度攻撃した。

カーナでは、レバノン赤十字の救急車2台を攻撃、輸送中の患者3名の内2名を殺し全乗員を負傷させた。1949年のジュネーブ協定第4章24条の、明確で恐らく意図的な違反である。

しかし、国際赤十字はイスラエル軍に信を置かねばならない。南レバノンを出た私達は、ジェッジーンへ向かってスピードを上げた。ビューフォートの崩れた十字軍要塞跡の下を抜け、破壊された無人のナバティエの通り、砲弾の残したクレーター、打ち砕かれた建物を両脇に見ながら、砲撃の音のする方へ向かったのだった。

リタニー川を越える時は、飛行機のエンジンが唸るのを聞きながら、片目を道路に片目を空に向けつつ、水の中を走らなくてはならなかった。シルヴィと彼女の同胞、フランスのクリストフ・グラン、スイスのクレア・ガッサール、アルジェリアのサイディ・ハシミ、そして二人のレバノン人、ビシャーラ・ハンナとエドモンド・ホーリーは、皆ドライブ中沈黙していた。

ナバティエ北方の道路に新しい爆撃跡があった。数時間前だろう。そこでもっとよく考えるべきだった。路上に散乱した武器の部品、性質の悪い榴散弾の破片、コンクリートの塊。だが、私達は、何よりも大事な「グリーンライト」をテルアビブからもらっているのだ。

そうやって働く事自体が、空襲に遭うのと同程度に彼らの感情を傷つけるのだが、国際赤十字は、南レバノンの道路上で唯一の救いの手だろう。イスラエルもヒズボラも含め誰をも批判しないという彼らの抑制は、天使にも相応しい沈黙となって表れる。昨日彼らは、イスラエルがビントジュベイルに猛攻をかけている場所から1マイルも離れていないアイテルーンの村へ車を入れた。途上の「捨て去られた」村々からは、まず女性が1人現れ、次いで子供が、それからもっと多くの女性と老人達が現れた。皆必死で村を出ようとしていた。

そういう人々が3000ほどもいただろうか。昨晩シルヴィは、車で彼らを脱出させる許可を得ようとしていた。イスラエルは、ヒズボラによる兵士3名の殺害と2名の拘束故に、レバノン人に対し、彼らが既に受けた罰―400名以上の民間人が死亡している―よりさらにひどい事をすると約している。そうしながら、アイテルーンには「グリーンライト」を出さないという素振りだった。

「村の人たちは、いっしょに連れて行ってくれと私達に懇願してました。でも私達にはその力がない」。サイディが深く心を動かされた風で言った。「皆目に涙をためていました」


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