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レバノン戦争:英インディペンデント紙記者、ロバート・フィスクによる報道(翻訳)
http://www.asyura2.com/0502/nametoroku3/msg/872.html
投稿者 ash 日時 2006 年 7 月 23 日 18:07:20: kQ1E75l8x/Kuo

http://heartland.geocities.jp/fisktranslation/

7月22日(土) 「このプロパガンダ戦争の中で、歴史は忘却される」

砲弾と同じ数の虚言がレバノンに降り注いでいる。爆発なら簡単に数えられる―昨日の朝、ベイルート南郊外で3件、シリアへ向かう主要ハイウェイで多数。ムデイレジ(地名)では、ダマスカスへ外国人を運んだ後レバノンへ戻って来た旅客バス3台と共に、その素晴らしい陸橋が更に又破壊された。虚言の方は分かり難いのだが、(物理的破壊と)同じくらい強力である。

最初の大法螺は、エフード・オルマートが吹いた。アナン国連事務総長が停戦を要請し、民間人への人道援助を通すための「輸送ルート」の必要性を訴えた数時間後、イスラエル首相は、そのような「人道的ルート」をキプロス・レバノン間で認めようと発言した。それは当然、今朝のヘッドラインを飾った。

しかし、キプロス・ベイルート間には、自由に航行できる海路が既に存在する。アナン氏が求めたのは、ベイルートと、激しく爆撃された南レバノンとの間の「輸送ルート」である。更にその数時間後、イスラエル軍は国境から20マイル以内の全民間人に退去を要請した。レバノン人はその行為を「民族浄化」と呼び、オルマート氏は勿論それについては口をつぐんだ。

それから、イスラエルが南レバノンのリタニー川まで軍を進める計画であると報じられた。もし事実だとすれば、それはイスラエル側に多数の犠牲をもたらし、それでいてヒズボラがイスラエル領土内に長距離ミサイルを撃ち込むのを防ぐ事も無い、そんな侵攻の仕方である。北イスラエル司令部の将校達は、82年のレバノン占領に際して指揮官だった人々であり、そんな考えが狂気の沙汰である事をよく承知している。

ワシントンの国連大使、ジョン・ボルトンがまた別の嘘をついている。停戦を避けるため―それにより更に多くの民間人が死ぬであろう―そして、安保理決議を避けるため、彼は、「民主的に選出された国家」が「テロリスト集団」と如何にして停戦できようかと問い、それは不可能だと続けた。

レバノン閣僚の大多数、及び少なくとも1名の欧米ジャーナリストは、ボルトン氏は少しおかしいのではないかと思った。さもなければ、彼は中東の歴史に完璧に無知か、どちらかだ。

パレスチナのカチューシャが国境を越えて発射された後の1980年、イスラエル―恐らくボルトン氏言う所の「民主的に選出された国家」―は、イスラエルが「テロリスト集団」とみなしていたヤーセル・アラファトのPLOゲリラと停戦に持ち込んだ。それは協議され、国連で保証された。2年後、イスラエルは、駐ロンドン・イスラエル大使、シュロモ・アルゴヴの暗殺をアラファトが指示したと主張し、PLOを爆撃する事により、その停戦を破った。イスラエルは間違っていた。指示を出したのは、アラファトのあらを探して止まないサッダーム・フセインで、イスラエルがアラファトを糾弾しレバノンに侵攻する事を期待していたのだった。イスラエルはその期待に応えてみせた。

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