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【ロシア政治経済ジャーナル】NO381米ロ関係の今4(米ロ舌戦)
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★米ロ関係の今4(米ロ舌戦)
(前号まで)
ユコス買収が不可能と知ったアメリカ政府。
ロシアを封じ込めるために、旧ソ連諸国(ロシアの旧植民地)で次々と革
命を起こします。
これに怒ったプーチンさん。
アメリカの仮想敵NO1中国に接近します。
また、アメリカによる革命を恐れるプーチン政権は、NGO法を成立させ、N
GOの政治(革命)活動を制限します。
▼ミュンヘンの舌戦
2月3日〜5日、ミュンヘンで安全保障会議が開かれました。
アメリカのマッケイン上院議員は、G8の首脳達に、
「サンクト・ペテルブルグサミットへの不参加」
を呼びかけました。
40カ国以上の代表が一同に会する国際会議ですよ。
よっぽど関係が悪化していないかぎり、こんなことはいえません。
その理由について同議員は、プーチンのロシアは
「民主主義国家でもなく」(涙)
「世界経済のリーダーでもない」(涙)
から。
いいますね〜。
もっとすごいことも言っています。
同氏によると、世界の3大問題は「不安定なイラク」「核兵器を保有するイラ
ン」そして、
「プーチンのロシア」。(涙)
かわいそうなロシア。
悪の枢軸国イラク・イランと同類にされてしまいました。(北朝鮮はなんでは
いってないの???)
ロシア側では。次期大統領の最有力候補イワノフ副首相兼国防相(プーチ
ンとは1976年以来の親友)が、売られたケンカを買いました。
ウクライナとロシアのお隣の国ベラルーシでは、もうすぐ大統領選挙がある
んですがね。
アメリカはできれば、ここでも革命を起こしたいのです。
ベラルーシの大統領ルカシェンコは、誰もが認める独裁者。
でも、「ロシアとベラルーシは再統合しなければならない」と一貫して主張して
いる。
つまり、ロシアにとっては「捨てがたい」独裁者。
イワノフさんは、ベラルーシの選挙について、「ルカシェンコの勝利を疑わな
い」と発言。
そして、「他のCIS諸国のような混乱が起きれば、モスクワは黙っていない」
と宣言します。
これは明らかに、旧ソ連諸国での革命をオーガナイズするアメリカ政府を牽
制しているのです。
イワノフは、革命後グルジアとウクライナがNATO加盟を目指していることに
ついて、「NATOが軍事機構として拡大するなら、それはロシアにとって脅威
となる!」
当然ですね。
NATOがロシアの旧植民地東欧を加盟させる理由は、「対ロシア」以外にあ
りえないのですから。
ウクライナへのガス供給停止問題について、
「90年代あなたがた(欧米)は、自由市場貿易の原則をロシアに受け入れさ
せるために努力していた。今私たちは、隣国を含む全ての国々に、この原則
を適用しようとしているのだ」
と反論。
イランに対する制裁の可能性について「効果的かどうか疑問がある。イラク
で示されたのは、制裁が常に効果的ではないという点だ!」
▼ライスさんも。。。
一上院議員が過激な発言をしたとしても、それが国策に沿っているのかど
うかはわかりません。
しかし、中道派といわれているライス国務長官がいえば話は変わってきます。
2月12日(日)。
CBSの番組に出演したライスさん。
ロシアについて、こんなことを言いました。
「私たちは、ロシアで進行中の民主化について、間違った方向に向かってい
ることを危惧している」
どんな問題があるんでしょう?
ライスさんが第1にあげたのは、前号でも触れたNGO法。
NGO法は、外国から資金をもらって、(NGO本来の目的とは異なる)政治
活動をしている団体を規制する法律。
これは、このようなNGO・NPOがグルジア・ウクライナ・キルギスの革命で
大きな役割を果たしため。
ロシアは、「アメリカがNGOを通して、ロシアで革命を起こすこと」を恐れて、
この法律をつくったのです。(前号でも触れましたが。)
「ホントですか北野さん?いいかげんなあなたのいうことですから信用でき
ません。ホントは、ただ独裁化を進める目的なんちゃいますの?」
ああそうですか。
では、もっと信頼できるソースを。
「ロシアでは二〇〇七年に下院選挙、〇八年に大統領選挙が予定されて
おり、〇四年秋のウクライナ大統領選挙に合わせて起きた「オレンジ革命」
のような政権転覆の動きが起きることを強く警戒している。プーチン政権は、
ウクライナには外国の資金が流入し、外国人が多数協力したとみており、
これらの新法導入は、ロシアでの“革命再来”の阻止を念頭に置いたもの
であることは間違いない」(産経新聞 06年1月23日)
↑ほらね。(^▽^)
しかし、NGOがNGO本来の活動を規制するものではありません。
あくまでもNGOが外国から金をもらって政治活動をすることを制限する。
別にいいじゃないですか?
もしアメリカが、「必要ならばカラー革命をロシアで起こし、プーチン後に親
米大統領を擁立しよう」という意志がなければ、批判される筋合いのない
法律です。
ということは、アメリカはロシアで革命を起こす準備を進めているってこと
でしょう。
もう一つライスさんが「民主化後退」の例に挙げたのは、資源を武器として
使うこと。(例、ウクライナ)
これについては、1月5日号で詳しく書いたので、ここでは触れません。
ライスさんに質問が出ます。
「こういう状況で、ロシアはG8に参加するべきなのでしょうか?」
ライスさんは答えます。
「私たちは選択を迫られている。私たちは、「ロシアは全部悪い方向にすす
んでいる。昔に戻って、ロシアをNATO−ロシア理事会やG8のような機関
から孤立させよう」ということもできる」
「あるいは、私たちはロシア人に、「これらの機関にとどまってください。しか
し、私たちはあなた方に、これらの機関の価値観に沿った態度を期待しま
すよ」ということもできる。」
「私たちは、ブラディミル・プーチンばかりでなく、全ロシア・ロシア社会・ロシ
アの民衆に将来これらの価値観を完全に受け入れるよう呼びかけなけれ
ばならない。」
なるほど。。。
ロシア人全員がアメリカの価値観を受け入れないといけないのですね。。。
これらの発言にライスさんの本音が表れています。
ロシアはアメリカの価値観を完全に受け入れなければならない。
(G8の価値観ではありません。なぜならG8の中でロシアをはずそうなんて
主張は、アメリカ以外で聞かれないのですから。。)
で、口でいっても聞かない場合どうするの?
そう、革命を起こして聞かせる。
というわけで、そろそろ結論を出す時間がきたようです。
米ロ関係は、ホドロコフスキー逮捕以降悪化の一途をたどっています。
そして、ロシアのトップは、アメリカの圧力をヒシヒシと感じているのです。
ネオコンが追い出され、中道派が力をつけたといっても、言葉使いが変わっ
ただけで、ほとんど変化は感じられません。
当然ロシアの反米も変わりません。
革命を工作している国、「世界3大問題は、イラク・イラン・ロシアだ!」なんて
主張している国と、ロシアが仲良くなれるでしょうか?
ネオコンが追い出され中道派が政権で力を持っている。。。
時代は変わった?
ロシアのトップも中国のトップもイランのトップもそういう風には考えていない
ことでしょう。
こう書くと、なんだか「アメリカは悪・ロシアは善」みたいですね。
ところが、私がいいたいのは善悪ではありません。
アメリカもロシアも自国の利益を追求する普通の国だということです。
次号、アメリカがロシアを叩くもう一つの理由と、ロシアの意図を挙げて、しめ
ます。
(つづく)
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