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本当に傍論か?
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投稿者 刺客カトリーナ 日時 2005 年 10 月 02 日 13:22:53: Ek1ndoxurYxTM

傍論とは何か?
→レイシオデシデンダイでないもの。

では、レイシオデシデンダイとはなにか。
1.法律上の論点についての判断であって、
2.もしその論点について異なった判断がされたならば、結論がことなることとなるもの。(よーするに結論に直結した論点。)

EX→原告の請求認容のためには、

1.被告の行為が違法であり、
2.原告に損害が生じ
3.被告の行為と原告の損害の間に因果関係がばければならない

とすると、

原告の請求認容の場合、
1肯定
2肯定
3肯定
の3つがレイシオデシデンダイとなる。
(3つのうちどれかが否定されると結論が異なるから)

では、2が否定されて、現行の請求が棄却された場合はどうか。
(ア)1肯定→2否定の2つがレイシオデシデンダイ
(イ)2否定のみがレイシオデシデンダイ

どちらでしょう?
で、書籍引用=中野次雄編 「判例とその読み方」1986年有斐閣p36
1.の考え方 頭から順番に考えていって、否定論点以降は論点資格を失うので、
  レイシオデシデンダイではなくなる。↑(ア)の考え方
2.の考え方 裁判所がどの順番で考えたかということについても、付随論点であって、その判断はレイシオデシデンダイになる。

と。結局上記(2)の考え方はない。

ではなんで、前回福岡地裁のとき浦部先生は「傍論」とされたのか。
それは、浦部先生が「憲法訴訟においては、ブランダイスの第4ルールによって、裁判官の論点判断の順序が拘束される」と考えたからと私見では思う。

で、また、書籍引用です→憲法 佐藤幸治著 平成7年青林書院p362

『憲法判断回避の準則をどこまで厳格に考えなければならないかはひとつの問題である。
厳格に解するs説もあるが、国民の重要な基本的人権にかかわり、類似の事件が多発するおそれがあり、憲法上の争点が明確であるというような事情がそんする場合には、裁判所が憲法判断をすることが是認されてしかるべきものである』

↑の見解によるならば、裁判所は必ずしも「宗教的静穏の権利性」から先に判断するという規範に拘束されない。そうすると、佐藤説によるかぎり、どこがレイシオデシデンダイかについて上記(イ)の見解を取らない限りは、傍論とはならない。(注(イ)の考え方をとってる人はいないというか中野先生の本では紹介されていない。)

で、私見→傍論、傍論というけれど、結局ブランダイスの第4ルールの拘束力をどこまで強く考えるかによるのであって、強い拘束力を認めない考え方もあるのであって、その考え方によれば、傍論とはいえないのではないか。

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