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9月22日 属国のビーチガール
http://blog.goo.ne.jp/beach_girl
バスラで緊張が高まっています。「バスラは比較的沈静化している」という英国軍側の発表にもかかわらず、アルジャジーラ(電子版)で今一番新しい記事(21日配信)(こちら)は、「イラク南部の街バスラでは、諜報部員二名を奪還するためにイラク警察を襲撃したイギリス軍に抗議して、300人規模のデモが行われた。デモの群集のなかには制服姿の警察官もあった」と伝えています。警察官が制服のままデモ? すごっ。
バスラでのイギリス軍の暴挙に関する日本の報道はおおまかにいって、1)英国軍側、英国政府側の発表、2)イラク警察、イラク政府側からの発言 3)ちょこっと目撃者証言・・・の三つでなりたっています。もちろん、すべて日本のマスコミの自主取材ではなく、海外の通信社やBBCなど大手マスメディアの報道を、適当に取捨選択して翻訳し、記事にしたてあげたものにすぎません。
しかし、1)〜3)以外の見方も、ちゃんと存在するんですよね。で、案外、そっちのほうが重要だったりする。ということで、イラクレジスタンス運動の星(になりつつあるかもしれない?)サドル師事務所のバスラ暴動に関するプレスリリースをご紹介します(原文の引用先はこちら)☆
■ムスタグ・アル・サドル事務所の声明
「イギリス占領軍の二名の兵士が、バスラ市民がよく足を運ぶ宗教施設の近隣において運転中の車の中から発砲。パトロール中の警官たちが白い車を停車させ、乗っていたふたりを逮捕した。ふたりがイギリス兵だと判明すると、英軍は彼らを解放するよう介入してきた。バスラ市民はこれに抗議してデモを行ったが、占領軍側はこれに対し、デモの群集にむかっての銃撃で応じ、多数の死傷者が出た。住民達はその報復としてイギリス軍戦車を何台か炎上させた。ふたりの英兵は逮捕された際、爆発物と遠隔爆破装置、小型〜中型の武器とその装備品を所持していた。
今夜遅く、英軍はバスラ州警察署本部を襲撃し、この英兵ふたりと150人近いテロリストを解放し、警察用車両を何台か炎上させた」
・・・また、サドル支持者達からの声明といえば、これも見逃せません。同じくインフォームドコメントから。
■サドル師のスポークスマンであるリヤド・アル・ナリ氏は「ザルカウィのサドル支持者(マハディ軍)は攻撃しないという声明は、シーア派内の派閥抗争の種をまこうという企みからくるものだ」と述べた。また、氏は、サドル支持者たちがアルカイダとザルカウィを「我々にとって最もしぶとい敵」であると語り、「我々がザルカウィを拘束したら、彼を八つ裂きにして殺すだろう」と述べた。
・・・・ということでですね、サドリスト(サドル支持者、サドル派、マハディ軍を意味する)は、アルカイダやザルカウィとは戦う姿勢をはっきる打ち出しているのです。彼らは「反占領」であるけれども、同時に「反アルカイダ」でもあるわけ。
しかし、日本のマスコミって、こういうことを伝えないでしょう? 「ザルカウィはマハディ軍を攻撃しないことをにしたと声明を出した」ことは伝えるけど、それに対しサドル師側が「なーにいってんだ、ばっかやろー、おめーらなんかにっくき敵だ! シーア派を分裂させようとしている陰謀集団だ、あっかんべー、あっちいけ、ばかやろー」(←ものすごく乱暴な意訳)と発言していることは、まーったく伝えないのよね。
サドリストの動きについては、このアルジャジーラの記事も注目。
■イラク議会の議員あるアリ・ダバー氏は 「マハディ軍出身のシーア派民兵たちは、英兵二名の身柄をおさえて人質にして、英兵の引渡しとひきかえに、日曜日に英国軍によって拘束されたふたりの民兵指導者(訳注・マハディ軍の幹部。ひとりはサドル師本人にかなり近い人物だそうです)を釈放させようとしていた」と語った。
ちなみに、このマハディ軍の幹部が逮捕・拘束された理由は「テロ容疑」です。時系列的には日曜日以降のたった数日の間に、1)マハディ軍幹部「テロ容疑」で逮捕 2)車に爆発物だリモコン装置だをつんだ私服姿の諜報部員がイラク警察に拘束される。ワシントンrタイムズの記事 は、ふたりが「殺人と爆発物を仕掛けようとしていた容疑」で逮捕されたと伝えています。 3)なぜだか急に、ザルカウィが「サドル派のマハディ軍は攻撃しない」と、まるでマハディ軍がアルカイダの仲間であるような声明発表 4)そしてなぜか、イギリス軍は戦車で刑務所の塀につっこむという暴挙で、諜報部員ふたりを奪還・・・
イギリス軍はひょっとするとひょっとして、SASに自動車爆弾テロを起こさせて、それをマハディ軍のせいにしようとしていた?のかもしれません。
諜報部員の身柄がマハディ軍に渡ったら、いらんことがバレちゃうし、せっかく逮捕したサドル派幹部も解放しないといけないし、解放しちゃったらサドル派を「テロ容疑」で追求することもできないし・・・というような背景だったのでは。
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