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21世紀の米国の行動様式を理解する上で,すべての論者が基礎にすべき知識が以下になります。これは必須の知識です。
1998年10月に、米国の国家安全保障会議(米国の安全保障問題を討議する、政府内の国家最高レベルの組織)が打ち出した方針「新世紀のための国家安全保障戦略」より。
「死活的利益(vital interest))をこう定義します。
「我が国の生存,安全、活力にとって、包括的で最も重要な利益」
そうした上でこういいます。
「その中には,我が国と同盟国の領土の物理的安全,経済の安定,不可欠なインフラの保護などが含まれる。これらの死活的利益を守るため,必要とあらば一方的にかつ決定的に軍事力を行使することを含め,必要な行動を取る」
(『世界資源戦争(Resource Wars))』by マイケル=クレアMichael T. Klare (2002年廣済堂出版)、p298註1 参照)
こうなのです。
つまり、経済の安定を目的として一方的かつ決定的に軍事力を行使する場合がある,という点が注目される必要があります。米国文明は大型の石油文明です。経済は石油を基礎としています。経済を安定させるためには石油の安定的確保が決定的です。したがって、石油を獲得するためには,一方的かつ決定的な軍事力を行使すると言うことを、(本音と建前を使い分けるのではなく)明確に打ち出している点です。もちろん彼らの死活的利益とはもう一つ,金融利益というのがあります。米国は生産で利益を上げること放棄し,金融で食うことを決めています。米国経済の安定のもう一つの基礎が金融(投資)。したがって利息を禁じる回教の教えが広がることは(今非常に世界的にひろがっているわけです),この死活的利益を脅かすことになります。ですから、回教国で原理主義勢力が強まることは死活的利益に関わるわけです。
戦争を含め、軍事力の行使が,自国の領土と市民の安全を守る範囲で限定して使われるという自制的観念はおろか,武力を地域紛争の解決のために使うという観念も超えています。21世紀は、軍隊を,多国籍企業の利益(経済の安定ということの中核的・実質的な意味)のために使うという意志を露骨明瞭に打ち出しているのです。これは,アングロサクゾン族の出自である海賊のメンタリティーが、抑えきれず隠しきれず外に出て来たものです。おれたちが石油が欲しくなったら,石油を持っているやつのところに一方的に出かけて行って襲って強奪してやる,かっぱらってやる、そう宣言しているのです。大義名文もへったくれも無く,ストレートな行動指針を民主党クリントン政権下で打ち出しているのです。この点につき民主党・共和党の差はありません。米国の揺るぎない一貫した国策なのです。
この行動指針を基礎に,ブッシュ政権以後、彼らの軍事力行使の規準がどう深化したか。これについては,別の機会に譲りますが(先制j攻撃論からさらに最近エスカレートさせた理論を打ち出している),ポイントは「反テロ」と言う実に巧みな(つまり表向き誰も文句を言えない)レトリックを設定し、軍事のみならず警察力行使を包括し経済専制体制(多国籍企業利益至上専権体制)の発展のために先鋭化させていっているのです。
アングロアメリカンの振る舞いをみるとき、まず,上記のようなガイドラインが国会政策として明瞭に打ち出されていることをどうか念頭に置いて各自分析に当たっていただきたいと思います。
また,日本が,なぜ,自衛隊を軍隊に格上げしてはならないか。それは、軍隊にはもはや自制規範というものが不要となるからです。経済的利益確保のため,という目的も容易に取り込めるようになってしまうのです。自国民の抑圧のためという目的も可能になります。米国軍の軍事警察のあり方がその実例を示しつつあります。
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