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タバコの健康影響と科学への妨害
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投稿者 子どもをたばこから守る会 日時 2008 年 5 月 24 日 15:12:46: RTO.u6Is75S3g

タバコの健康影響と科学への妨害

子どもをたばこから守る会 作成

掛園浩

平山雄 博士が1981年に、受動喫煙(他人のタバコの煙)でがんになる研究論文を表しました。この発表でタバコ消費が減ってしまうと考えた英国のタバコ会社は、この発表を妨害する為のプロジェクト立ち上げました。これに参加したのが、現職の帝京大学医学部矢野栄二教授です。この教授は、受動喫煙の害を隠蔽し、受動喫煙の害を否定する研究論文をも作成して、タバコ会社から約20万ドルの報酬を得たとの記事を、2002年12月14日の英国の医学雑誌「BMJ」が掲載しました。
一方、日本政府は受動喫煙でがん等になることがDNA鑑定等で明らかになったことから飲食店等を含めたすべての事業所で受動喫煙を防止する為の法律(健康増進法第25条)を制定、2003年5月1日に施行されます。日本のタバコ会社は未だに、矢野栄二教授の研究発表を盾にタバコの有害性を認めません。もし、タバコのパッケージに『タバコ1本の煙には60種類の発ガン性物質と約140種類の有害物質が含まれています』と本当の事を表示してあったら、年間約10万人死亡というタバコの犠牲者は防げたのかもしれません。
佐賀県保険医新聞 平成15年3月号
http://blog.goo.ne.jp/notobaccoday/e/79e3e92c693f399dc04b6463b17ed654
http://www.asyura.com/07/health13/msg/603.html


平成 14 年(ワ)第 3929 号 禁煙措置等請求事件
http://www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/6700/sojyou/dai4jyunbisyomen.pdf

受動喫煙対策を怠り、従業員から提訴されたJR西日本が反論として提出した乙号証は、内外のタバコ産業が研究者に資金を提供して、間接喫煙の有害性に関する研究を否定するために作成させたものであることが最近明らかとなった。被告が提出するこれらの論文は、いずれも東京地方裁判所に係属している江戸川区分煙訴訟において書証として提出されたものと同一である。この訴訟において、被告の江戸川区は、これらの書証はいずれも日本たばこ産業株式会社から提供を受けたものであると述べており、本件においても、被告は日本たばこ産業から提供を受けてこれらの論文を書証として提出しているものと考えられる。そして、上記訴訟における江戸川区の主張と本件における被告の主張も共通しており、日本たばこ産業の全面的援助のもとに組み立てられたものであろう。

ところで、これらの論文を日本たばこ産業が提供するには根拠がある。それは、日本たばこ産業が、1981年以降公式に認められた受動喫煙の有害性をなんとか否定し、たばこ対策の推進による販売量の減少を食い止めて、自己の利益を確保しようとする強い動機があるからにほかならない。果たして、日本たばこ産業が提供した論文は、実は国内外のたばこ産業が研究者に資金を供与して、間接喫煙の有害性に関する研究を否定するために作成させたものであることが最近明らかとなった。

英語
http://www.bmj.com/cgi/content/full/325/7377/1413
日本語
http://www.asyura2.com/08/health14/msg/115.html

本件で被告が提出する論文の類はそのような経過で作成されたものであって、中立性を欠いた偏狭な立場で作成されたものばかりである。

そのことは、一つは、論文自体に示されている。英文の論文には、謝辞(acknowledgement)が添えられることが多いが、そこに資金提供の事実が述べられている(被告が提出する翻訳文では、これらの部分が周到に削られている)。

たとえば、乙17-1の謝辞(acknowledgement)には、次のような記載がある(p99)。
Supported in part by the Tobacco Institute, this assay represents the independent thought of authors alone.(この分析は、一部、たばこ協会(Tobacco Institute)の援助を受け、著者の独立した考えを単独で表わしたものである。)

また、乙18-1にも次のように記載されている(p23)。
The funding of this study was made available to Corning Hazleton by the Center for Indoor Air Research(CIAR), Linthicum,Maryland,United State.
(この研究の資金は、アメリカ合衆国メリーランド州リンシカム(Linthicum)の屋内空気調査センター(CIAR)によって、コーニング=ハツルトン(Corning Hazleton)に提供された。)

乙19-1も同様である(p212)。
The funding of this study was made available to Covance Laboratories Ltd.by the Center for Indoor Air Research(CIAR, Linthicum, Md., USA).
(この研究の資金は、屋内空気調査センター(CIAR。アメリカ合衆国メリーランド州Linthicum)によって、コヴァンス研究所(Covance Laboratories)に提供された。)

たばこ協会(Tobacco Institute)というのはアメリカ国内のたばこ会社の団体であり、屋内空気調査センター(CIAR)というのはアメリカ国内のたばこ会社が寄り集まって、1988年に設立した機関である。

後に述べるとおり、世界保健機関(WHO)などが一貫して受動喫煙が肺がんの原因になることを指摘し、2002年6月には同機関のがん研究部門(International Agency for Research on Cancer, IARC)は、受動喫煙の煙(involuntary smoking)を明白な発癌物質(Group 1)に分類するなど、受動喫煙の有害性を否定する研究を否定する政策をとり続けている。
これは、これらの受動喫煙の有害性を否定する研究がいかに科学的根拠のないものであるかを何よりも雄弁に示している。
http://www.asyura2.com/08/nihon28/msg/225.html

そして、最近アメリカのたばこ会社などで公開された資料によれば、日本人研究者の矢野栄二および香川順が、論文作成に先立つ1991年4月5日、屋内空気調査センター(The Center for Indoor Air Research, CIAR)に対して243,000ドル(約30,000,000円)もの資金提供の申し入れを行い、これをアメリカRJレイノルズ社、BAT社、リームスマ(Reemtsma)社、インペリアルタバコ社、ロスマン(Rothmans)社およびフィリップモリス社で協議を行い、最終的に総額190,500ドル(約23,000,000円)もの資金が提供されている。
http://www.bmj.com/cgi/content/full/325/7377/1413
http://www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/6700/sojyou/kou38.pdf

さらに、この資金援助にあたって、フィリップモリス社のスティーブ=パリッシュ(Steve Parrish)は、日本たばこ産業株式会社に対して協力依頼を申し入れており、そのなかで、
「たぶん、CIARを利用して、このプロジェクトを隠したいのでしょう。このプロジェクトはEPAやOSH(注:受動喫煙対策を推進する米国政府機関)への対策として明らかに利用できるため、非常に重要で急ぐ必要がある」と述べている。

そして、「このプロジェクトはクリス=プロクター(Chris Procter。BAT社主任研究員)が指揮するが、その存在は秘密にし、論文には明記すべきでない」などと述べ、同人を黒幕として、矢野栄二と香川順に研究させようとしていることをあからさまに語っている。

このようにして、矢野栄二と香川順は、たばこ業界から多額の資金提供を受けて、受動喫煙の有害性を否定する論文の作成に狂奔することとなる。

本訴では、矢野栄二と香川順の論文は提出されておらず、国内の研究者ではもっぱら春日斉の論文が提出されている。しかし、この春日斉も上記プロジェクトと強いつながりがある。

すなわち、同人の論文「環境中たばこ煙による受動喫煙の疫学」(乙8)によれば、同人はクリス=プロクターと私信を交わしていることを明らかにしているのであり(p181)、上記プロジェクトの黒幕であるプロクターから、様々な示唆を受けていたのである。以上のとおり、被告が提出する論文は、たばこ会社の資金提供によってなされた研究ばかりであり、中立性・公平性を欠くものというほかない。

被告JR西日本は受動喫煙による健康への影響は証明されていないと主張して、その旨の論文や報告などを大量に提出したが、判決はこれらの各種報告等は「最新の知見によるものとは認め難い」として排斥した。これは、受動喫煙による健康被害を否定する研究がたばこ産業の資金提供によるものであって客観性と正当性を欠くものであるとのわれわれの主張を認めたものであり、もはや受動喫煙による健康への影響の存在は否定のしようがないことを示したものである。

http://www.geocities.jp/teikyoph/index.htm
http://www3.ocn.ne.jp/~muen/JRnishiteiso/bengoseimei050103.htm
http://muen2.cool.ne.jp/hanketu041222.pdf

子どもをたばこから守る会

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