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(http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm)泉の波立ち
より転載
「産科医不足への対策」について。
産科医不足のせいで妊婦の死産が起こった、という件について、先に記した。( →8月31日 )
そこでは「原因は何か?」について語ったが、本項では「対策はどうするか?」について語ろう。
対策としては、先にもちょっと言及したように、
「 (2) 医療システムの貧困 (厚労省)」
に対応して、医療システムを向上すればいい、となるだろう。とはいえ、実は、そういう簡単な問題ではない。
実を言うと、いくら医療システムを向上しても、問題は解決しない。「問題が起こりにくくなる」ということはあっても、問題は解決しない。
なぜか? 実は、これは、医療システムの問題ではなく、経済の問題だからだ。
わかりやすく説明しよう。
問題の根源は、ベッドや治療能力が満杯であることだ。では、満杯を避けるには、どうすればいいか? 供給を増やせばいいか? いや、供給を増やしても、それだけでは解決しない。なぜなら、「大病院への集中」という状況は、ちょっとぐらい供給を増やしても、解決しないからだ。つまり、一般病院がガラガラになるだけで、大病院はやはり満杯のままである。
だから、根源的には、大病院が満杯になるのを、避けるようにする必要がある。しかし、それができない。なぜか? 次のことがあるからだ。
「満杯になるのを避けると、稼働率が下がるので、利益率が低下して、赤字になる」
これは経済原理である。急患を入れるためには、空きベッドなどを用意する必要があるが、そうすればそうするほど、病院は赤字になる。したがって、病院としては、来るか来ないかわからない急患のためにベッドをあけるよりは、軽症の病人でも何でも、とにかくベッドに収容しておいた方がいい。……つまり、病院にとって大事なのは、ベッドをあけないことであって、急患を受け入れることではない。急患が死のうがどうだろうが、そんなことは病院にとってはどうでもいいことだ。大事なのは、常にベッドを埋めておくことだ。
そういう経済原理がある。ここに根本的な問題がある。
これへの解決策は? 病院の医者を増やすことか? 違う。空きベッドを常に用意しておくことだ。稼働率を常に下げておくことだ。……しかし、そうすると、利益率が低下する。だから、「稼働率を下げても利益率が下がらない」というシステムを用意することが必要だ。これこそが根本対策だ。
具体的には? 「差額ベッド」がいいだろう。差額ベッドを常にあけておく。そのための医師も常に遊ばせておく。こうして稼働率を常に下げておく。(もし稼働率が下がらなければ、稼働率が下がるまでどんどん価格を上げる。)……そして、いざ来た急患からは、差額ベッド代として、高額の料金を取る。その後、三日ほどしたら、差額ベッドから追い出して(または自発的に逃げさせて)、提携した普通の病院に転院させる。
以上の結果、次のようになる。
(1) 患者は、急患のときに必ず受け入れてもらえる。三日間ほどは、高い差額ベッド代を払うが、その後は、普通の病院で普通の処置を受ける。
(2) 病院は、普段は稼働率が低下するが、いざというときに急患を受け入れる。差額ベッドは、普段は遊んでいるが、いざというときに高額の料金を取れる。
(3) 医師は、普段は待機時間が多いが、いざというときに急患を処理する。常に軽症の病人ばかりを処置する、ということはなくなる。
(4) 周辺の病院は、大病院から軽症の病人を受け入れて、経営が安定する。また、いざというときには、急患を大病院に送り込む。
以上の意味は? 「最適配分」である。「急患は大病院へ、軽症になったら普通の病院へ」という形で、最適配分する。
そして、これは、「最適配分」の問題であるから、あくまで経済問題である。医学の問題ではない。医学的に正しい対処をすればいいのではなくて、経済的に金銭をうまく操作して、最適配分が起こるようにすればいい。
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