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[「英国渡航暦」はあやふや]
ついに来るべきものが来たというべきだろう。厚生労働省は去る2月4日、国内初の≪ヒト狂牛病≫、正確には『変異型クロイツフェルト・ヤコブ病』による死者が出たと発表した。
患者は50代の男性で、01年12月に発症。焦操感やイライラを訴え、その後、痴呆が進んで寝たきりとなり、昨年12月に死亡した。治療に当たった病院名を含め、詳細はプライバシー保護を理由に発表されていない。
ヤコブ病は脳に異常なタンパク質(プリオン)が蓄積されて神経細胞が冒され、最後は脳がスポンジ状になって死に至る難病だ。治療はまだ確立されていない。日本人の発症者は100万人に1人の割合とされ、原因不明の「弧発性」や脳硬膜移植から感染する「医原型」などのタイプが知られている。
それに対して変異型は、人間がBSEにかかった牛の脳や内臓、汚染された肉を食べることが原因で感染すると見られ、ほかのタイプのヤコブ病とはっきり区別されている。変異型は世界で169人の患者がでているが、9割以上はBSEが最も猛威を振るったイギリスで発症し、他はヨーロッパ諸国とカナダなど数例しか報告されていない。
その≪ヒト狂牛病≫が日本で発症したとなると、国民の間に再び、≪狂牛病パニック≫が広がる危険性がある。折しくも、小泉内閣は牛肉輸入再開に向けて大きく舵を切り、輸入再開を協議する政府の専門家会合(2月8日)目前に控えた微妙なタイミングだった。
そこで政府は第1号患者発表にあたって巧妙な情報操作を展開した。”患者は国内で感染したのではなくイギリスでヤコブ病をもらってきた”というシナリオに基づいていた。
厚労省疾病対策課が記者クラブに配布した『国内におけるクロイツフェルト・ヤコブ病の発生について』と題する文書には、冒頭にわざわざ、<当該患者(男性)は、平成元年頃、英国渡航暦1ヶ月間という情報あり>と強調し、「発生原因」の項目には、その情報を唯一の根拠にこう書かれている<輸血暦なく、平成元年頃の海外渡航暦から見て、短期間ではあるが、英国滞在時の曝露の可能性が現時点では有力と考えられる>
厚労省だけではない。内閣府の食品安全委員会も2月4日付けで委員長談話を発表し、<今回、厚生労働省によりわが国初の変異性クロイツフェルト・ヤコブ病と確認された患者は、英国滞在時に感染した可能性が現時点では有力と考えられると承認しています> <国民の皆様には、現在の対策のもと流通している牛肉等を食べてもリスクは高まらないと考えておりますので、冷静に対応していただきますようお願いします> と、早々と《安全宣言》まで出したのである。厚労省は専門家から変異型発生の一報を受けたのは発表前日だったと説明しているが、わずか1日で安全宣言とは手回しがよすぎて「冷静な対応」とは思えない。
だが、とんでもないことに、厚労省は間者がいつイギリスに渡航したのか、1ヶ月滞在が事実かどうかも本当は確認していなかった。
―中略―
「情報操作など考えたこともない。発表文書には、(感染ルートが)確定したとは書いていない」(疾病対策課)
そう開き直ったのである。
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