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重度の障害のある方の場合、知的障害の方の場合、
女性の場合など様々な立場の障害者の方における「性」
についてを語っている。
ルポなので現実といえば現実なのだが、美談にするでもなく
偏見をもつでもなく、ありのままを書いている。
著者が女性だからか、人物描写も細かく、生々しさを
感じさせる文章である。
また、オランダなどの外国の実例もあげ、性の意識、
文化、福祉面などを日本と比較することもできる。
いきなり重い。
重度の障害者の人の言葉で「どうして殺してくれなかったのだ」
というのが痛いほど胸にささる。
そして、「障害者はあきらめなければならないことが多い」という
言葉にもうなづかされる。
しかし、それでもなお、「性」を求めようとする人たち、
「性」を理解し、与えようとする人たちの実態が書かれている。
障害者のカップルで、下半身は麻痺しているため快感は
ないのに、二人で愛しあうためにセックスをする二人の
ことが書かれていた。
二人にとってのセックスは性欲でも快楽でもなく互いを
愛しあうための形なのだと思う。
逆に知的障害者の方で、「愛しているからセックスをしない」
という女性がいた。
知的障害者だったために「カラダ目当てだけのセックス」
を今までされてきたからだという。
だから、セックスに対して怖く、本当に愛しているなら
セックスしなくてもつきあって欲しいというのだ。
だからつきあっているのに相手の男性は童貞のままらしい。
いろいろな愛のカタチ、セックスのパターンが見える。
自分の手で自慰ができない男性障害者の方に男性の介助者が
手で自慰をしてあげるというのは、驚いた。
そして、女性ボランティアの方がすることもあるらしい。
女性は「排泄行為と同じです」という。
なんだか、それは切なくないのか。
ただ、それは性欲だから「処理する」でいいのかもしれないけど。
逆に女性障害者に健常者のセックスボランティアの男性が
セックスをする場合は微妙らしい。
道具を使う場合はいいが、実際に男性のものを挿入する場合は
射精することがあるからだという。
ボランティアだから抵抗があるのか?
逆にビジネスと割り切った方がいいのか……。
障害者では一生、恋も結婚もできないかもしれないからと、
男性ホストを呼ぶ女性障害者。
障害者専用のデリヘル嬢にしてもらう男性。
健常者だって、誰でもセックスできるわけじゃないし、
一生処女や童貞君だっていると思うが……。
セックスするのにどんなやり方が正しいとか悪いとかは
ないと思うのだが、なんともやりきれない。
軽く語れることではないが、いろいろなことを考えさせられる
本であった。
身体の一部で、排泄をするにすぎない部分なのに
性器というのは特別だ。
好きでもない人の性器なんて見たくもないし、触りたくないが、
愛する人の性器のいとおしいこと。
そりゃあ、愛などなくてもこすれば気持ちよくなるだろうし
刺激すればイクだろう。
だけど、やっぱりそれは愛があっての愛撫であり、
挿入でありたい。
http://tsukiakarinomai.ameblo.jp/entry-a11c1588a2895678b7d7b2c3e0f4a2cc.html