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(回答先: ワヤクチャさんは黒木瞳さんがタイプなの? 投稿者 膝枕 日時 2005 年 5 月 26 日 14:35:00)
初恋?かどうかはわかりませんが、私が医の道に進むキッカケになったエピソードです。
父も母も公務員の家で育ち、父の実家が一軒家を所有していて、ゆくゆくはそこに同居の形をとるということで、小学校の3年生まで、団地に住むかぎっ子でした。
団地裏の公園にはいろいろな友達が集まり、かぎっ子である自覚さえない楽しい日々でした。
初めて目にするようなものすごく可憐で清楚で綺麗な女の子が来るようになりました。
年のころは、同じか、少し上に見えました。
でも、その子には秘密があったんです。
完全に耳が聞こえていないらしく、言葉も発する事ができない。
全てを手話にたよるその子をからかう子もいました。
そんなことを父に話すと、決まって「お前はどうしたい?皆とからかいたいか?」といわれたものです。
その頃、完全にルックスにやられていた私は、からかうというより、なんて綺麗な子なんだろうとしか思っていませんでした。
そんなある日、新聞配達の自転車に目の前でその子が撥ねられました。
頭と腕からの出血があり、言葉も通じない、頭部を強打している為、そこに居た皆もおろおろするだけだったのを覚えています。
私は思いつく限りのゼスチャーで、その子とコンタクトしようとし、その子も少し笑ったようにみえました。
まもなく、その子の母親と、救急車が来てその子を病院に運んでいきました。
友達からは、「よく血がこわくないな」と軽い尊敬までされたのですが、素敵な子だったからか、そんな恐怖心は、全くありませんでした。
本当に心細いのはその子であって、当時の私に可能だった術はゼスチャーのみということだったのでしょう。
その話を父にしたところ、「いっぱい勉強して、医者にでもなれば、そういう時に役に立つ術を身につけられる」といわれたのが、医者を目指した始まりではなかったかと思います。
その後、軽症ですんだその子は、元気に公園に現れ、私にお辞儀をしてくれました。
いっぱいの手話もあったのですが、何一つ理解できませんでした。
数ヵ月後、父の実家に移り住んだ事で、その子との縁はなくなりましたが、その子以上の美人顔には出会っていません。