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新ローマ法王にラツィンガー枢機卿
2005年04月20日01時56分
http://www.asahi.com/international/update/0420/005.html?t1
ローマ法王庁(バチカン)は19日午後6時(日本時間20日午前1時)前、ヨハネ・パウロ2世の死去に伴う法王選出会議(コンクラーベ)で、ドイツ出身のヨーゼフ・ラツィンガー枢機卿(78)を第265代法王に選出した。新法王はベネディクト16世となる。
新法王選出を意味する白い煙が会議が開かれているシスティーナ礼拝堂の煙突から上がり、選出を確認する大聖堂の鐘が鳴らされた。
イタリアの国営テレビは礼拝堂の煙突から白い煙があがった直後に、ラテン語で「法王が決まった」とのテロップを流した。
今回のコンクラーベには投票権を持つ80歳未満の枢機卿115人が集まり、バチカンのシスティーナ礼拝堂で18日から行われていた。投票は午前、午後2度ずつ行われ、新法王の決定は礼拝堂の煙突から上る白い煙と大聖堂の鐘によって、法王庁のサンピエトロ広場に集まった人々に知らされることになっていた。
故ヨハネ・パウロ2世は法王在任中、人権や平和をめぐり積極的に発言。数多くの外国訪問をこなし、行動力とカリスマ性で信者を引きつけた。新法王がこうした行動スタイルを受け継ぐのかどうか、注目される。
また、ヨハネ・パウロ2世は教義面では保守派で知られ、枢機卿や側近らを保守派で固めた。避妊具の使用や体外受精、妊娠中絶、尊厳死など、生命の誕生と死に人間が介入することを禁じた。新法王は科学技術が進歩する現実社会と宗教の折り合いをどうつけるのか、という問題に直面する。
また、新法王は世界の信者の半数近くを占める中南米や信者が急増しているアフリカの声を今後の教会運営にどう反映させていくのかも問われる。
ヨーゼフ・ラツィンガー枢機卿は、80歳以上も含め世界中に180人以上いる枢機卿が属する「枢機卿会」の会長を務める実力者。世界の要人が多数列席した前法王の葬儀ではミサも行った。
前法王ヨハネ・パウロ2世に最も近い側近の一人で、特に前法王が体調を崩した晩年、法王庁内で発言力を増したとされる。信者に真理の体系を示すカトリック教会の要である教理省長官を24年にわたって務め、教義において超保守的とされた前法王を支えた。
ドイツのバイエルン地方生まれ。ローマ法王庁発表の略歴によると、第2次世界大戦中は国軍で対空戦担当だったという。その後、ミュンヘン大で哲学と神学を学んだ。