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私たちについて語られるべき何かがあって、それが語られることを私たちみんなが待っている。
不本意な無知の状態にあって、人はみな、古い人生や新しい人生や捏造された人生などをめぐる
物語に進んで耳を傾ける。叶えられぬ好奇心の時間を何とかつぶしてくれるものをみな貪欲に
求める。
私たちが説明可能であり、説明されていないことを私たちは知っている。私たちに関する瑣末な
事柄の多くがこれまで語られてきたが、より大きな事柄は語られておらず、何ものもそれらの
代わりになれはしない。
私たち自身ではなく、私たちが語る対象について何を知ったところで、それは普遍的世界に属するものにすぎず、結局空虚は空虚なまま残るだろう。
私たち自身をめぐる知られざる物語が語られるまでは、ほかに何が語られようとも私たちは満足
できない。わたしたちは静かにそれに焦がれつづけるだろう。