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【2005年8月9日 CfA Press Release 】
生まれたばかりの星の周りにできるちりの円盤(原始惑星系円盤)は、集まって惑星を形成するため、数百万年で消えてしまう。これは、いくつもの証拠に支えられてきた天文学の常識の一つだ。しかし、何事にも例外がある。2,500万歳という、高齢の円盤が発見されたのだ。これは200歳の人間を見つけるのと同じくらい、予期せぬ発見だという。
連星系の周りに発見された2,500万歳の原始 惑星系円盤の想像図。クリックで拡大 (提供:David A.Aguilar (CfA) ) |
では、年老いた円盤は今後どんな運命をたどるのだろうか?実は、今回の発見を共同で報告した二人の科学者の間でも意見が割れている。
これまでに観測されたもっとも高齢の原始惑星系円盤は、1000万歳だ。この年齢までに惑星が形成されないなら、いつまでたってもこの円盤から惑星は生まれないだろうと一人は語る。もう一人は、Stephenson 34の原始惑星系円盤には多量のガスが残っているので、木星のようなガス惑星がこれからできるかもしれないとしている。今後、さらなる高齢の原始惑星系円盤の観測と議論を通じて、なぜ円盤が消えずに残るのかという謎を解明したいという点では、もちろん二人の意見は一致している。
Spitzer(スピッツァー宇宙望遠鏡 / SIRTF): 2003年に打ち上げられた、アメリカの赤外線宇宙望遠鏡。口径85cmの望遠鏡を搭載し、液体ヘリウムによって5.5Kまで冷やされている。地球から遠ざかる太陽周回軌道を回っており、2年半以上の運用を予定している。(「最新デジタル宇宙大百科」より)
もはや「生まれたて」とは言えない、2500万歳の原始惑星系円盤
【参照投稿】オリオン座大星雲に産まれる前の原始太陽系の姿を見た