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【2005年6月24日 CfA Press Release 】
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターと台湾天文天体物理研究所の共同プロジェクトであるSMA(サブミリ波干渉計)によるオリオン座大星雲の観測で、星雲に存在する多くの原始惑星系円盤に、太陽系のような惑星系を形成する物質が豊富に存在していることが明らかになった。宇宙には多くの太陽系のような惑星系が存在することを期待させる観測結果が提示されたと言える。
観測された原始惑星系円盤の想像図(提供: David Aguilar, CfA)クリックで拡大 |
ハッブルがオリオン座大星雲に捉えた5つの若い星 (うち、4つは円盤をもっている)(提供:C.R.O'Dell /Rice University; NASA)クリックで拡大 |
オリオン座大星雲の原始惑星系円盤については、1990年代にハッブル宇宙望遠鏡が見事な画像を撮影している。画像(下)には、星雲を背景として円盤のシルエットが見事に浮かび上がっている。しかし、これだけでは円盤の形を捉えただけに過ぎず、円盤の中にどれだけの質量が含まれているかを見積もることはできなかった。
これらの原始惑星系円盤が存在する領域は、時速300万キロメートルに及ぶ猛スピードの恒星風が吹き荒れ、1万度を優に越える過酷な環境だ。研究者の間では、この領域で太陽系のような惑星系を形成する物質が、吹き飛ばされずに留まっていることができるのか疑問視されてきた。そこで、唯一円盤の中まで見通して中身の質量を見積もることができるSMA(サブミリ波干渉計)の出番となった。結果、この円盤は恒星風に耐えることができ、そして安定した惑星系を作り出すのに十分な量の物質を取り込んでいることが明らかになった。
いくつかの原始惑星系円盤は、サイズや大きさが太陽系と近い。オリオン座大星雲で起きていることは、かつて私たちの太陽系が経験したのと同じであるかもしれない。そして同時に、太陽系以外の惑星系が想像以上に多く存在するという楽観的な見方は、相次ぐ系外惑星の発見に加え、さらなる根拠を得たことになる。