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カリフォルニアだけじゃない——米国中央にも地震の巣
2005.06.23
Web posted at: 20:19 JST
- CNN
ジョージア州アトランタ(CNN)--カリフォルニア周辺で地震が続き、「次は?」という声がでているが、それ以外にも潜在的な危険を抱える地域があることはあまり知られていない。それが米国の中央に横たわるニューマドリッド地震帯だ。
ニューマドリッド地震帯はメンフィスの北西約60キロ付近から、イリノイ州南部の町カイロ付近までの約180キロに広がる。3−5個の断層が並び、3年ごとにM4.0クラスの地震を起こすといわれている。
この地域で今年にはいってから、中規模地震が4回、小規模の地震は100回に及ぶという「異例」の地震活動が続いている。「差し迫った危険かはさておき、今後50年間にM6.0以上の地震の起きる確率が25%から60%あるこの地域では注目すべき現象」とテネシー州メンフィスの地震研究所のギャリー・パターソン氏は語る。
この地震帯についての研究はあまり進んでいないが、19世紀の北米大陸では最も地震の多い地域だったことは確かだ。
1811年から1812年にかけての冬には大地震が3回起き、19世紀末にかけても何度かの記録がある。最も大きかったのは1812年2月7日の地震で、ニューマドリッドの町を破壊した。揺れはボストンなど3百万キロ四方のエリアで観測された。また地震の影響で、ミシシッピー川周辺の地形が変わり、川が逆流したり、中州の島が町ごと消えたという。
差し迫った危険はなくとも、西海岸ほど研究がすすんでいない分、予測できないことも多い。また、この地域では地震対策が遅れているのが懸念材料だ。
メンフィスやセントルイスには、人口が集中している。補強の少ない石造建築が主流だった1940年以前の建物にとりわけ被害が予想される。テネシー州の現行の建築基準なら大地震にも耐えるというが、このエリアでそれが適用されたのは1989年以降だ。
たとえM6クラスの地震でも被害は軽視できない。1994年のノースリッジ地震の被害総額は300億ドル(3兆3千億円)とも400億ドル(4兆4千億円)ともいれ、米国史上最大といわれるが、地震自体の規模はM6.7。しかも発生したのは米国内で最も地震に備えのあったカリフォルニアだ。
「西海岸のほうが頻繁に地震に見舞われるのは確かだが、ニューマドリッドは活断層帯だ。この地域の自治体や住民は、もしも地震が起きたらということを意識しておく必要がある」とパターソン氏は注意を呼びかけている。