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気象庁は22日、今年2月に打ち上げた運輸多目的衛星「ひまわり6号」の正式運用を、28日正午から開始すると発表した。アジア周辺26カ国の放送局や研究機関など、1000を超える機関に30分ごとに映像を配信する。同庁は、米国の気象衛星「ゴーズ9号」の画像も7月初旬まで並行配信する予定。
6月22日18時45分更新
赤外1チャンネル 平成17年6月22日09時 クリックで拡大 |
▼ 運輸多目的衛星新1号(ひまわり6号)
運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)は、射ち上げに失敗した1号の代替として米スペースシステム・ロラール社によって製造された。衛星バス(姿勢制御系など)はロラール社のLS-1300であり、これまでのGMSシリーズのスピン衛星タイプから三軸姿勢制御型へと変更され、それに従ってイメージャ(観測機器)なども変更されている。また、GMS-5の可視光+赤外1〜3に加えてさらに赤外4(IR4)チャンネルが追加されており、配信データ形式も拡張された。
射ち上げ時の重量は約3.3t。設計寿命は、気象観測が5年、航空管制が10年となっている。
MTSAT-1Rは2003年夏にH-IIAロケット6号機を使用した射ち上げが予定されていたが、製造上の不具合や製造メーカーのスペースシステムズ・ロラール社が親会社とともに破綻(連邦破産法#11の適用申請)したことなどからたびたび延期され、その影響でH-IIAロケット6号機での打ち上げを断念し、H-IIAロケット7号機での射ち上げに変更された。
射ち上げの延期に伴って、米国のGOES-9が、MTSAT-1Rの射ち上げ・稼動が成功するまで代替機として2003年から観測を担当している。→ひまわりの項も参照。
上記の過程を経たのち、2004年3月19日にアントノフ124等で輸送され種子島宇宙センターへ到着したが、到着前に発生したH-IIAロケット6号機の射ち上げ失敗によるH-IIAロケットの設計改良のために、またもや射ち上げが延期される事態に陥った。
その後、H-IIAロケット7号機によって2005年(平成17年)2月26日日本時間午後6時25分に射ち上げられ、衛星の分離に成功した。2005年3月8日、静止軌道に入ったことが確認され、ひまわり6号と愛称が命名された(正式名称はMTSATのまま)。当初は5月下旬には気象観測の開始を予定していたが、気象設備の設置に時間がかかり正式運用は6月中の予定である。
▼ 運輸多目的衛星2号(ひまわり6号)
気象衛星としては1基で十分だが、航空管制業務には2基の衛星が必要となる。そのための運輸多目的衛星2号 (MTSAT-2)は、三菱電機が製造中で、2005年内に打ち上げられる予定である。
これにより、航空管制衛星としては2機体制となることにより正式運用となり、また切望されていた気象衛星の軌道上予備機が実現することとなる。