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http://www.kahoku.co.jp/news/2005/06/20050612t13027.htm
近い将来の発生が確実視される宮城県沖地震の震源域の真上に、微小地震の震源集中域があることが、東北大地震・噴火予知研究観測センターなどの調査で分かった。この位置に生じる震源集中域は、大地震の前に静穏化するとの予測がある。同センターは「宮城県沖地震の前兆をつかめる可能性が出てきた」として、集中域の観測データに注目している。
同センターは2002年度から3年間、東大や気象庁と共同で、宮城県沖50―150キロの海底に10―15個の地震計を設置。陸上の地震計と併せ、高い精度で海底地震を観測した。
東北地方が乗る陸側の北米プレートの下には、海側の太平洋プレートが沈み込んでいる。プレート境界には摩擦力が強く、滑りにくい部分(アスペリティ)があり、ひずみが限界に達すると一気に滑って大地震を起こす。
観測の結果、発生した海底地震の大半はマグニチュード(M)2―3。12日で発生から27年が経過した前回の宮城県沖地震(M7.4)と比べても微小だった。
震源はプレート境界面のほか、78年の前回の宮城県沖地震の震源となったアスペリティの真上にも集中していることが判明。海面からの深さ20―30キロの北米プレート内にあり、断面は20キロ四方程度の大きさだった。これ以外には震源が集中する個所はなかった。
アスペリティの真上で微小地震が頻発するのは、アスペリティが滑りにくい分、太平洋プレートの圧力が北米プレート内部にかかるため。圧力を受けたプレート内部では、弱い部分が壊れて微弱な地震を起こす。
逆に、アスペリティが滑り始めれば北米プレート内部への圧力は弱まり、微小地震は静穏化することが予測される。
東北大は前回地震の前も、77年6月ごろから、深さ20―30キロ付近での微小地震発生が十分の1程度に減ったことを確認している。
東北大地震・噴火予知研究観測センターの日野亮太・助教授は「静穏化の監視だけで大地震が予測可能とするのは危険だが、手掛かりの一つには違いない」と説明。「アスペリティが滑り始めることで起きる他の現象も探し、予測精度を高めたい」と話している。
2005年06月12日日曜日