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http://www.asahi.com/national/update/0524/NGY200505240007.html?t
2005年05月25日05時59分
東海や東南海、南海地震を繰り返してきた南海トラフで、巨大地震が起きる時、東海地震が単独では起きにくいことが、名古屋大学の平原和朗教授(地震学)らのスーパーコンピューターを使ったシミュレーションでわかった。シミュレーションで巨大地震は、いずれも紀伊半島沖から発生しており、東海地震は隣に震源域がある東南海地震が起きてから拡大する形で発生すると予測している。
平原教授らは、巨大地震の巣となっている本州の南にある海底の細長いくぼみである南海トラフに、地震を繰り返す長さ1000キロ、幅300キロの断層を想定。約1キロ四方ごとのブロックにわけて、地震波の観測で得られた地下の構造を海洋研究開発機構のスパコン「地球シミュレータ」に入力して解析した。南海トラフの巨大地震について、スパコンを使った本格的な解析は初めてという。
解析では、南海地震や東南海地震が単独で起きたり、東海と東南海地震、東南海と南海地震がそれぞれ同時に起きたり、三つが一緒に起きるという過去の発生パターンが再現された。巨大地震は東南海と南海地震の想定震源域の境界付近の紀伊半島沖で始まり、東西に広がっていた。東海地震は、過去の発生パターンから推察されていたように、単独ではなく東南海地震が起きるときに2回に1回程度の割合で連動して起きた。
解析で東海地震が単独で起きなかったのは、四国沖で年6センチ、紀伊半島沖で4〜5センチとされるフィリピン海プレート(岩板)の沈み込み速度が御前崎(静岡県)付近では2センチ程度と遅くひずみがたまりにくいこと、東海地震の震源域ではプレートと一緒に沈み込んだ海底山脈がブレーキの役割を果たすことが反映されたと考えられる。
地震が紀伊半島沖から始まるのは、フィリピン海プレートと陸側のプレートのプレートの接触部分が小さく、狭い領域にひずみがたまりやすい構造になっているためだとという。
南海トラフで予測されている巨大地震について、政府の地震調査委員会は、30年以内に発生する確率を東南海(マグニチュード=M8.1前後)が60%程度、南海(M8.4前後)が50%程度、参考値の東海(M8程度)は86%と予測している。