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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050509i501.htm
1990年代以降、中心気圧の低い強い台風が、80年代に比べて減ったのは、気象庁の観測手法の変更に原因があることが、お天気キャスターの森田正光さんらの分析でわかった。
台風を実際より弱く伝えることは、データの信頼性を揺るがすだけでなく、被害を広げる懸念もある。森田さんは15日から東京都内で始まる日本気象学会で発表し、手法の見直しを訴える。
気象庁のデータなどによると、80年代まで、最低中心気圧920ヘクト・パスカル以下の台風の発生は毎年平均3・5個あったが、90年以降は2・6個に減少。特に900ヘクト・パスカル以下は、1・6個から0・29個になった。
97年、2002年に、沖ノ鳥島付近を通過した台風では、海洋研究開発機構が同島で観測した数値と気象庁の中心気圧分析値に約20ヘクト・パスカルの開きがあった。昨年の台風15号でも、中心気圧の速報値と台風通過後の解析に大きな差があった。
気象庁は87年の台風11号まで、米軍機が直接観測した気圧を発表していた。だが、米軍の予算削減のあおりを受け、気象衛星の画像から推測する「ドボラック法」に切り替えた。
これだと、観測者の主観や目の小さい台風は誤差が大きくなる傾向があり、森田さんは、中心気圧の低い強い台風ほど弱く扱われると指摘する。
気象庁は「海上の台風は観測が難しく衛星に頼らざるをえない。しかし、それほど大きな誤差はない」としている。
森田さんは「最近の台風は、目がはっきりしなかったり、コースや形状が珍しいものが少なくない。観測手法の再検証が必要だ」としている。
(2005/5/9/03:05 読売新聞 無断転載禁止)