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02/16 18:10 最大1万人が犠牲か タイ南部、実態分からず
スマトラ沖地震で、欧州や日本の外国人観光客ら数千人が津波に
のみ込まれたタイ南部。海外メディアに「リゾートの悲劇」と報じ
られたが、ミャンマーなど周辺国からの「出稼ぎ被災者」は、地震
発生から一カ月半経過した今も見捨てられたままだ。最大一万人が
犠牲になった恐れもあるが、不法就労者も多く被害の実態把握は困
難だ。
被災したミャンマーからの出稼ぎ労働者のうち、最も多いのは、
漁業や建設などの重労働を支えていた人々だ。
タイ南部六県で、政府から労働許可証を受け合法的に働いていた
のは約十二万八千人に上る。しかし、被災したミャンマー人労働者
を支援する非政府組織(NGO)「ミャンマーの津波対策ネットワ
ーク」は「不法就労者はこの二、三倍はいた」とみる。
このNGOが、パンガー県など南部の村々を歩き調査した結果、
死者は女性や子供も含め約二千五百人、行方不明者は六千―七千人
に上った。別の二つのNGOも死者を千五百―二千人、行方不明者
を四千―六千人とみている。
不法就労者は逮捕や強制送還を恐れ、山の中に隠れたりしている
。死者の確認や行方不明者の届け出ができないだけでなく、避難民
キャンプにも行けず、支援物資を得られない状況だ。合法的に働い
ていたミャンマー人も津波で証明書をなくし、不法就労者になって
しまった。
国際労働機関(ILO)の担当官は「合法的な労働者には証明書
の速やかな再発行、不法就労者に対しては人権保護が重要」と語る
。
カンボジア人やラオス人も、経済発展が著しいタイに流入。支援
組織がないため実態は分かりにくいが、被災地で合法的に働いてい
たカンボジア人は千人余り。不法就労者はその二倍はいたとみられ
ている。
一月上旬、国際移住機関(IOM)がカンボジア人犠牲者の身元
確認に協力すると申し出て、カンボジア側も受け入れた。カンボジ
ア政府関係者は「出稼ぎしていたのは貧困層で、津波の発生さえ知
らない家族も多いはず」と推測する。
一方、ミャンマー国内の被害実態は、軍事政権が報道規制してお
り不明。軍政は六十人余りが死亡としているが、国連は九十人、同
国野党は四百―六百人が犠牲になったとみている。外交筋などによ
ると、ミャンマーで最も被害が大きかったとされるアンダマン海の
島には軍事施設があり、これが報道規制の要因になっているようだ
。(プーケット共同=舟越美夏)
20050216 1810
[2005-02-16-18:10]