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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050210i407.htm
全島避難していた島民の帰島が続く東京都三宅村(伊豆諸島・三宅島)では、火山ガス濃度の高まりを知らせる放送が昼夜を問わず鳴り響き、島民から「緊急性がないのに、真夜中でも流されると気持ちが休まらない」といった不満が漏れ始めている。
避難指示が解除された1日午後3時から8日午後3時まで、1週間に発令された警報や注意報は55回。住民を火山ガスから守るための安全対策が、かえって島民のストレス要因になるという皮肉な事態が生じている。
2日早朝、三宅島に到着した帰島第一陣が最初に聞いたのは、火山ガスのレベル2解除を告げるアナウンスだった。その10分後には、「ただいま、0・2ppmを超える火山ガス濃度が観測されました。高感受性者の方は、マスクをして屋内に避難してください」と、レベル1発令の放送が、島内43か所のスピーカーと各住宅に配備された受信機からけたたましく流れ出した。
村では、住民の安全を確保するため、火山ガスの濃度に応じ、レベル1からより濃度の高いレベル4までの注意報、警報を発令している。レベル1は、乳児や妊婦、呼吸器系の疾患があるなど、ガスの影響を受けやすい高感受性者への注意報。レベル2は、高感受性者への警報。レベル3は一般住民への注意報、レベル4は一般住民への警報といった具合だ。
発令は、ガス濃度が基準を超えると自動的に流れるように設定されており、午前2時や4時台に発令されたこともある。解除は、24時間態勢で詰めている村の職員が、濃度が下がったことを確認した後、実施している。ところが、どのレベルでも音量や声の調子は同じで、識別しにくいうえ、高感受性者はまだ1人も帰島していないという。
結果的にアナウンスはほとんどの島民に緊急性が乏しく、「朝から晩までただ流しているのでは、本当の緊急時に注意しなくなってしまう」(69歳男性)、「夜ぐらいは、当該地区だけの放送にしぼった方がいい。受信機のスイッチを切りたいと話していた知人もいる」(45歳男性)と、手厳しい批判の声が上がり始めている。
その一方で、村には、屋外スピーカーの音声が聞きとりにくいという訴えも寄せられている。
村の担当者は「ゆっくり眠りたいのも分かるが、火山ガスと共生する以上は『今までとは違う』という認識でいてもらわないと」と困惑気味。ただ、「放送に慣れてしまうのが心配」と言い、「改善できる点を検討していきたい」と話している。
(2005/2/10/14:36 読売新聞 無断転載禁止)