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過密都市東京は大地震に耐えられない (SENKI)
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 01 日 17:43:30: ogcGl0q1DMbpk

首都直下地震で死者1万2000人  政府・中央防災会議が被害予想

危ないのは東海地方だけじゃない!

過密都市東京は大地震に耐えられない

http://www.bund.org/news/20050205-2.htm

 死者1万2000人、全壊85万棟。昨年12月15日、国の中央防災会議・首都直下地震対策専門調査会は、阪神大震災をはるかに上まわる首都直下地震の被害想定を発表した。昨年、中越地震やスマトラ沖大地震が発生。「次は東海地震か、浜岡原発は大丈夫か」と不安をつのらせていた人が多いに違いない。だが危ないのは東海地震だけじゃない! 首都圏に直下型地震の危険が迫っている。

プレート境界型と内陸直下型

 従来話題になってきた東海・東南海・南海地震と、首都直下地震では、その発生の仕組みが全く違う。東海・東南海・南海地震は、「プレート境界型地震」とよばれる。図のようにプレートとプレートがぶつかりあうところでは、ひずみが限界に達するとプレートが急に元に戻る。このときの衝撃によっておこる地震がプレート境界型地震だ。プレート境界型地震は規模が大きく(M8〜9)、海底が大きく隆起したり陥没したりするため大規模な津波が発生することが多い。スマトラ沖大地震は典型的なプレート境界型地震だ。

 日本列島の太平洋岸では、1605年の慶長地震、1707年の宝永地震、1854年の安政地震と、100〜150年周期で繰り返しプレート境界型地震が発生している。最後の安政地震からすでに151年。東海・東南海・南海地震はいつ起きてもおかしくない。

 一方、首都直下地震のような地震は内陸直下型地震と呼ばれる。内陸直下型地震は、プレート内の活断層が動いて起こる地震だ。プレートを圧縮したり、引っ張ったりする力は、時にプレート内部を破壊する。活断層だ。日本列島の至る所で見られる活断層の多くは、過去の内陸直下型地震の古傷で、何千年に一回ぐらいの割合で再び活動する。

 内陸直下型地震は、プレート境界型地震と比べて規模は小さいものの(M6〜7)、震源からの距離が近く大きな被害が出ることがある。特に、都市の真下の活断層で発生した場合、深刻な被害が発生する。阪神大震災も新潟中越地震も、この内陸直下型地震だった。

火災・倒壊、老朽木造住宅が危ない!

 首都直下地震対策専門調査会は、首都直下地震の震源として18か所を上げている。地下でプレートが複雑に重なり合っている関東地方は、そこら中に活断層が発見されている。まさに直下型地震の巣窟だ(震源分布図参照)。

 首都直下型地震の規模と発生確率について、文部科学省の地震調査研究機関=地震調査研究推進本部・地震調査委員会は、「南関東(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城)直下でM6・7〜7・2の地震が発生する確率は、10年以内が30%、30年以内が70%、50年以内が90%」と発表している。首都直下地震は明日起きてもおかしくない。

 首都直下地震による被害想定については「各地震動における死者数」(中央防災会議発表)のグラフを参照願いたい。最悪のケースは、夕方18時、風速15mという関東大震災並の強風下、新宿区直下を震源に「都心西部直下地震(M6・9)」が起きた場合で、約1万2000人が死亡する。その他、「東京湾北部地震(M7・3)」「都心東部直下地震(M6・9)」でも死者は1万人を超える。ただし、関東大震災の死者14万人以上と比較し「一桁少ない想定」と批判する震災専門家も少なくない。

 震災の被害を拡大させる最大の要因は、老朽木造住宅の倒壊・火災発生による被害だ。火災による死者は、死者数全体の6割を占める。首都直下地震対策専門調査会・座長の伊藤滋(東大名誉教授・都市防災論)は、記者会見で「国費を出してでも、老朽化した木造住宅の建て替えや改修を促進しない限り、甚大な被害は避けられない」と語っている。

 焼失棟数が最大になる東京湾北部地震(M7・3、冬の午後6時、風速15m)のケースでは、老朽化した木造住宅が密集する山手通りと環七の間の地域(杉並・中野・世田谷区)に被害が集中する。東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県で計2500件の火災が発生するが、1300件は消火できず延焼。65万棟が焼失する。

 国土交通省の調査によると、住宅が倒壊しない場合の出火率は、倒壊した場合の3分の1。倒壊家屋は消火の邪魔になるうえ、火事の延焼路にもなる。4万3000人が倒壊した家屋の下敷きとなって自力脱出できなくり、そのうち800人が救出されずに焼死する。

 2000年の建築基準法改正で木造住宅の基礎・柱・壁などに関する耐震基準が導入された。それ以前の老朽化した木造住宅に住んでいる人は、家屋の耐震診断を受け、必要な改修を行った方がいい。

首都一極集中のなれのはて

 首都直下地震では、墨田区や江東区など23区東部で特に強い揺れが予想され、多くの建造物が倒壊する。これらの地域は、利根川や荒川の三角州を埋め立ててつくられた地域だ。もともと「ため池」だった赤坂の溜池、沼地だった麻布一の橋付近でも、家屋倒壊が多発する。人間による自然改造は、地震には勝てない。

 さらに地震による交通機関の停止によって650万人の帰宅困難者が発生する(昼12時発生の場合)。650万人の救援を都心の自治体まかせにするのは無理だ。誰がどうやって救出するのか、早急に対策を練る必要がある。

 1月11日、世界最大の再保険会社ミュンヘン再保険は、東京・横浜圏を世界で最も危険でリスクの高い大都市に指定した。海沿いに位置する東京・横浜圏は周辺と合わせて3500万人が居住し、地震・津波・火山噴火・台風・洪水の危険が極めて高い。とりわけ、大地震の際には数十万人が犠牲になり、経済的損失は数兆ドル。世界経済への悪影響も大きいとしている。ちなみに東京・横浜圏の「リスク指数」は710で、2位のサンフランシスコの167の4倍以上。北京とソウルは15だ。

 地震の発生を止めることはできない。だが、その被害を最小限にすることはできる。首都直下地震による未曽有の大惨事を回避するためには、木造住宅の耐震化を進めると共に、東京一極集中から地方分権へと、日本の政治経済システムを大きく転換する必要がある。人口の26%、事業所の39%が首都圏に集中しているような状況は一刻も早く是正されるべきだ。残された時間はそう長くない。


http://www.bund.org/news/20050205-2.htm

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