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欧州、世銀次期総裁候補を静観 WTO人事引き換え?
【パリ=山口昌子】イラク戦争推進の先頭に立った新保守主義の旗手、ウォルフォウィッツ米国防副長官が世界銀行の次期総裁候補に推薦されたことについて、同戦争に反対したフランスやドイツなど欧州主要国は今のところ表立って異を唱えてはいない。先のブッシュ米大統領訪欧によって敷かれた“米欧和解路線”に沿って支持に回るとの見方が支配的だ。
ウォルフォウィッツ副長官は十九日付仏紙、フィガロとの会見で、「多数の人は私を知らずに話している」と述べ、「貧困との闘い」という世銀の任務に強い関心を持っている点を強調した。
だが、次期国連大使にやはり新保守主義者の豪腕、ボルトン国務次官が指名されたのに続く人事だけに、国際機関を影響下に置こうという米戦略ではないかとの疑念が欧州では生じており、「悲しい選択」(英紙、フィナンシャル・タイムズ)ととらえる向きもある。
欧州連合(EU)のミシェル委員(開発・人道援助担当)は十八日、ウォルフォウィッツ氏をEU本部があるブリュッセルに招待したとの声明を発表した。「貧困との闘い」で主要な役割を果たす世銀に関する「彼(同氏)のビジョン」や、立ち向かうべき「主要な課題」などについて、説明を受けるためだという。
ただ、イラク戦争反対の急先鋒(せんぽう)だったシラク仏大統領は推薦直後、ブッシュ大統領に「友好的精神」と「世銀の任務の見地」から検討すると伝え、反対はしていない。
仏国際情報予測研究所(CEEPI)のスガール研究員は「事前にブッシュ大統領は欧州と多くの接触を行ったはずだ」と述べ、候補発表の前に仏独の了解を取り付けたとの見方を示している。
異論と言えば、世銀総裁は米国人、国際通貨基金(IMF)トップの専務理事は欧州人という暗黙の了解に関し、「国際機関の長の人事を米欧だけに任せるべきではない」との声が東欧などから上がっている程度だ。
仏国際関係研究所(IFRI)のモイジ副所長は「欧州が今回、積極的に反対しないのは、世界貿易機関(WTO)事務局長候補に欧州が推しているラミー前欧州委員(通商担当)を米国に支持してもらいたいからだ」と分析している。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/21int003.htm