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レノボのIBM買収 USCCのマイケル・ウェッセル委員に聞く
安保への影響、米政府強い懸念
米政府の対米外国投資委員会(CFIUS、委員長・スノー米財務長官)は今月、厳しい情報隔離を条件に、米コンピューター大手IBMが、中国の「聯想(レノボ)」集団にパソコン事業部門を売却することを認めた。スパイ防止のため、聯想はIBMの建物から分離されるほか、IBMが持つ米政府の顧客名簿にアクセスできない。今回の米政府の決定について、米議会の諮問機関である米中経済安全保障再考委員会(USCC)のマイケル・ウェッセル委員に聞いた。(ワシントン 気仙英郎)
−−今回の米政府の決定の意義は
「今回は始まりであって終わりではない。中国は六千億ドルを超える外貨準備を持っており、世界中で、獲得可能な企業を探している。米政府は今後、今回のような潜在的に米国の安全保障上問題となり得る取引について厳しい審査をするという姿勢を内外に示した」
−−中国企業の何が問題か
「中国が米企業や米国資産を買うことは、日本企業など他の国が米企業を買収するのと意味合いが大きく異なる。中国企業のバックに中国政府がいる。現金にものを言わせて米企業を買い、技術を習得したら、その企業を解散して、資産を中国に持ち帰る。米国の労働者は解雇される。日本企業は、一九八〇年代、九〇年代の通商摩擦を経て米国に直接投資し、雇用を創出したが、中国企業の行動原理は基本的に日本企業のそれとは異なる」
−−米政府は、聯想によるIBMのパソコン部門購入で何をおそれたのか
「IBMの持つハイテク技術だ。ラップトップコンピューターのバッテリー能力から暗号化技術など軍事技術につながるものが多い。台湾海峡有事の際、中国は、米軍の展開を無力化する暗号技術を入手するかもしれない。米国の安全保障に深くかかわってくるのだ。今回、ノースカロライナ州ローリーにある十のIBM施設の内、研究開発にかかわる二つの施設に対する聯想のかかわりに米政府は、強い懸念を抱いた」
−−米国にとってIBMは特別か
「IBMは重要だ。米国政府から数億ドル規模の研究開発費を得ている。それは、米国民の税金だ。しかも、国防総省や国土安全保障省などが直接契約している」
−−中国に対する米議会の風当たりは厳しくなっている
「巨額の貿易赤字を背景に人民元の為替操作や知的財産権の侵害などに対する強硬意見が強まっている。米政府が、十分に行動し、中国が自ら是正に向けて動き出さなければ、議会は圧力を強め、(制裁などの)行動を起こすだろう」
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■マイケル・ウェッセル氏 昨年の米大統領選民主党予備選に出馬したゲッパート前下院議員の政策顧問を20年以上にわたって務め、1980年代から90年代に起きた日米貿易摩擦では対日強硬策の立案にかかわった。2006年12月までの任期で、米中経済安全保障再考委員会(USCC)委員を務める。現在、通商問題を中心に活動するコンサルティング会社、ダウニー・マッグレイス・グループ副社長。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/20kei003.htm