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蘭ABNアムロ、中堅銀買収検討、伊中銀の出方焦点に――外資主導認めず。 2005/03/10,
日経金融新聞
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https://www.nikkei4946.com/np_j/index.cgi?c=0N4V&bt=0
欧州委、開放を迫る
【ロンドン=佐藤大和】オランダの大手金融グループABNアムロは、イタリア北部の中堅銀行アントンベネタ(パドバ市)を買収する検討に入った。同行は株式時価総額で六十五億ユーロ(約九千億円)とユーロ圏でも三十位前後にとどまるが、買収の成否に欧州金融界の関心は極めて高い。イタリア中央銀行がこれまで外資による自国の銀行買収を一切認めてこなかったためで、欧州連合(EU)も事態の行方を注視している。
ABNアムロのフローニンク最高経営責任者(CEO)は八日、自らローマのイタリア中銀本部を訪れ、中銀の首脳と会談した。
ABNアムロはアントンベネタにすでに一二・八%出資している。しかし、今年に入ってアントンベネタとほかの伊中堅銀行の合併構想が浮上。出資比率の低下を懸念するABNアムロは、アントンベネタの完全買収を含む出資比率の引き上げを目指す方針を表明し、アントンベネタの株価は急騰している。
イタリアでは法律上、中銀総裁が国内銀行のあらゆる合併・買収(M&A)計画に対して最終的な拒否権を持っている。一九九三年に就任したファツィオ総裁(68)は、これまで経営基盤の強化に向けた国内勢同士の再編を後押しする半面、外資による銀行買収は認めず、外資による出資比率は最高でも一五%に抑えている。
ベルルスコーニ首相は先月、「競争力で劣るイタリア銀行界を外銀の草刈り場にすることは認めない」との認識でファツィオ総裁と一致。「拒否権」を総裁から独占禁止当局に移す法案を退けた。さらに、先進国では異例の「終身」となっている総裁任期も見直さないことを決めた。
ユーロ導入から丸六年たったにもかかわらず、欧州銀行の国境を超えた再編は停滞している。EUの欧州委員会は金融市場の一体化、効率化を目指しており、こうしたイタリアの金融規制に批判を強めている。
欧州委員会のマクリービー委員(競争政策担当)は「EUの理念に反する」と市場開放を求める書簡をファツィオ総裁に送った。買収構想が退けられた場合、ABNアムロが欧州委員会に提訴する可能性も取りざたされている。