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「フルキャストスタジアム宮城」突貫工事131日 楽天、20日お披露目
翼広げた鷲の家 メジャー級ボールパーク
プロ野球新球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の本拠地、県営宮城球場(仙台市)が約4カ月半の改修を経て、「フルキャストスタジアム宮城」として生まれ変わる。度重なる大雪にも負けず、一日早く突貫工事する「前倒し作戦」で20日に改修完成のお披露目をする。生まれ変わった新球場でのホーム開幕戦は4月1日に行われる。(国府田英之)
≪前倒し作戦≫
楽天が三十億円を投じた県営宮城球場の改修工事。昨年十一月九日の着工から完成予定の二十日まで工期はわずか百三十一日。例年にない豪雪で、「開幕に間に合わない」との声が多かった。
そこで大手ゼネコン鹿島は、異例の態勢で臨んだ。秋田などで球場建設を担当した経験者を事務所の所長と副所長に抜擢(ばってき)。米大リーグ「サンフランシスコ・ジャイアンツ」の新球場の設計を担当したエキスパートを投入、現場にも経験者を非常招集した。
最初の障害は球場の設計図。建設当初の設計図が紛失、残っていたのは寸法が違うものばかりでサイズを測りながら工事を進めた。
豪雪対策は「力業」で乗り切った。鹿島が採用したのは「前倒し作戦」。天気予報で雪となると、すぐ工程を一日前倒しして突貫工事で影響を最小限に食い止めた。一月下旬からは二十四時間工事にペースアップした。通常なら一年半といわれるだけに「異例」(鹿島)という。
≪外野奥に公園≫
目指すは娯楽性の高い「ボールパーク」。臨場感を味わえるようにバックネット前にプロ野球の球場として初の半地下式の「砂かぶり席」を設置。ファウルグラウンドのせり出し席を設けて大リーグのように観戦できるほか外野席の奥には公園も整備した。スタンドにも各地の温泉を使った「足湯」を設ける。
また目玉の一つは、球場内の四カ所に設置されるカラフルな内装のトイレ。仙台市内の幼稚園で採用されているもので、広い間取りで「記念撮影ができるほどキレイ」。
間に合ったとはいえ、代償もある。「人工芝の質やグラウンドの特徴が分からない」。選手もクッションボールの経験もないため、二十三、二十四日には、急ぎミニキャンプを行う。
≪盛り上がる市民≫
市民のムードも盛り上がってきた。スタジアムで仙台名物「すずめ踊り」を踊ろうと、練習を重ねるグループやチームロゴをあしらった応援フラッグを四千枚張り出す計画も進む。
チケットも好調だ。本拠地開幕三連戦は発売十五分で完売。年間席も残りわずか。目標二万人だったファンクラブの会員募集も年会費一万円のゴールド会員が約一万五千人、同三千円の会員が約一万五千人。日本ハムの北海道移転時と並ぶ三万五千人に達する勢い。岩手や福島でもファンクラブを立ち上げる動きがあり、東北球団の形も整いつつある。
しかし、合理的な楽天経営に懐疑的な声もある。球場へは「飲食物の持ち込み禁止」となり、球場近くの食品販売店長は「弁当やドリンクも売れない。地元に何の利益もない」と肩を落とす。
球場広告の価格高騰も波紋を広げた。外野フェンスの広告一枚分が、県営球場当時の三十二万円から三千五百万円と約百倍になった。それでも、百二十業者に完売した球場内広告の65%が地元企業で、地域密着は空手形ではないようだ。
パ・リーグ開幕は二十六日。地域に根付くかどうか。新球団の戦いはこれからだ。
◇
フルキャストスタジアム宮城 仙台市宮城野区。収容人員2万3000人。両翼101.5メートル、中堅122.2メートルは12球団最大。スコアボードに400インチの大型ビジョン。全面人工芝だが、選手の足腰に配慮しクッション性の高い人工芝を採用。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13iti002.htm