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中小零細向け無担保融資 大手銀進出に規制の壁 消費者金融との連携模索
大手銀行が資本提携先の消費者金融と乗り出そうとしている中小零細事業者向け無担保融資が“規制の壁”に突き当たっている。現行では消費者金融が銀行の融資審査や貸し倒れ債権の引き取りなどの保証業務を請け負えない規制があり、銀行側は規制緩和を金融庁に要請している。しかし、金融庁は銀行子会社に対する不良債権飛ばしの再発を懸念し、規制見直しには慎重だ。このため、大手銀行は戦略の見直しを含め、新たな対応を迫られている。(藤沢志穂子)
三菱東京フィナンシャル・グループとアコム、三井住友フィナンシャルグループとプロミスなど昨年来、大手銀行と消費者金融の資本提携が相次いだ。互いの顧客基盤とノウハウを生かした新しいビジネスモデルの開拓が狙いだ。なかでも中小零細事業者向け無担保融資は「両者が取りこぼしていた分野で潜在的な需要は大きい」(大手銀行幹部)とされている。
大手銀行の中小企業向け無担保融資は、年商十億円以下の事業者に対して数%台の金利で一千万円単位の運転資金を貸し出している。一方、消費者金融は、個人事業者向けに年17−25%の金利で五十万−三百万円程度を融資してきた。新規開拓を狙うのはその中間層にあたり、年商一億円以下の事業者に15%前後の金利で、最大五百万円の「つなぎ資金」を融資するのが狙いだ。
ただ、こうした中小零細事業者層は、会社と個人の資金が混在している例も多く、融資には「企業会計に対する銀行の目利きと、個人の信用に対する消費者金融のノウハウの両方が必要」(同)という。このため、東京三菱銀行はアコムに、三井住友銀行はプロミスにそれぞれ保証業務を委ねることで事業の効率化を目指している。
しかし、金融庁の規定では、銀行と資本関係にある企業による保証業務は、事業者向け融資では認められていない。保証によって銀行融資が不良債権化するリスクを消費者金融に肩代わりさせる恐れもあり、「飛ばしの温床になりかねない」との懸念がある。
これに対し、銀行関係者は「いまは企業グループで収益力向上を考える時代に変わった」(消費者金融幹部)と金融庁の姿勢を批判するが、金融庁は規制の見直しには消極的だ。このため、大手銀行は新たな対応を迫られている。
住友信託銀行はアイフルと合弁で「ビジネクスト」を四年前に設立。合弁会社による同様の融資は、金融庁の規制の対象にはなっていないからだ。だが、「企業と個人の信用情報の融合に時間がかかった」と指摘されており、融資残高も今年一月末で四百四十億円とようやく軌道に乗り始めたところだ。新たに合弁会社を設立した場合、コストも無視できない。
三菱東京、三井住友とも消費者金融や証券会社との連携を深め、コングロマリット(複合企業)志向を強める中で、中小零細企業向け無担保融資にも意欲的だ。規制緩和がなかなか見込めない中で両グループとも「せっかく資本提携したのだから、グループとして可能な融資を何らかの手法で考えたい」として次の一手を模索している。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/12kei001.htm