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怖い『パチンコ・パチスロ依存症』
業界が予防対策
パチンコ業者らでつくる東京都遊技業協同組合(原田実理事長)が「パチンコ・パチスロ依存症予防対策プログラム」をまとめ、初めて本格的な対策に乗り出した。熱中する人が増えれば、パチンコ店はもうかるはず。そのパチンコ業界の側が“熱中しすぎて抜け出せなくなる”ことを問題視する姿勢をはっきり打ち出した意味は、重い。家庭崩壊や犯罪につながることもあるパチンコ依存症を防ぐにはどうすべきか。対策プログラム発表と同時に組合が開催したシンポジウムを見た。
「バブル全盛時代、うつ病が今後大変なことになると警告したが、誰も振り向かないうちに激増した。ギャンブルなどの依存症も今、重要な問題になりつつある。うつ病と同様にならないようにしなければ」
組合から依頼されて今回の「パチンコ・パチスロ依存症予防対策プログラム」の提言をまとめた早稲田大学の加藤諦三教授(精神衛生学・心理学)は、対策プログラム発表後に開かれたシンポジウムの席上、そう指摘し、パチンコ依存症が水面下で拡大しつつある現状に警鐘を鳴らした。
シンポジウムは三日、東京都千代田区の東商ホールで開かれた。パチンコ業界がイメージアップを迫られている世相を反映してか、多くの業界関係者らが参加。医師ら専門家の発言に真剣に耳を傾ける姿が見られた。
組合が取り組む対策プログラムではまず、今月三日からパチンコ・パチスロ依存症について正しく理解してもらうためのホームページ(HP)を開設。依存症の定義や防止策、立ち直りの方法のほか、専門家が執筆するコラム、依存症に関してのよくある質問や疑問への回答などの情報を詳しく載せた。
今後は、依存症に悩む仲間などの情報交換の場やカウンセリンググループ紹介などの情報も発信していく予定。さらにHPとは別に、依存症を説明した小冊子発行やパチンコ店従業員向けの教育研修会を五月ごろに開催することも決めている。
加藤教授の対策プログラムによると「依存症」とは、悪い習慣にのめり込み、セルフコントロール(自制)を失ってしまった病態を指す。
身近な依存症としてはアルコール依存症が知られている。しかしそれ以外にも薬物、摂食障害、過剰な買い物、盗癖、虐待・暴力などさまざまな問題行動に陥る形態がある。パチンコ・パチスロのギャンブルから抜け出せない症状もこの一種に位置付けられる。
勝ってはまたギャンブルに走り、負けては取り返そうと熱中し、知らず知らずのうちにコントロール障害に陥った結果、社会的・経済的な損失を伴ってもやめられなくなる事例が珍しくない。
実際にパチンコ・パチスロ依存症となった人の様子はどうなのか。
多くの患者を診察した経験を持つ榎本クリニック(豊島区)の榎本稔院長は「パチンコ依存症の人が毎日たくさん相談に来るが、二百万円から五百万円の借金を重ねているのはザラだ。中には三千万円使った人もいる」と明かす。「最初に家族が相談に来る。依存症の本人にはその自覚がなく、治療に来たがらないケースが多い」という。
東京都遊技業協同組合が依存症予防対策に乗り出したのも、依存症事例の深刻さに危機感を抱いたのが理由だ。同組合の亀田宏司副理事長は「パチンコ中に幼児を車内に置き去りにして(脱水症状で)死亡させる事件が相次いだうえ、書店に並ぶパチンコ攻略雑誌に多数の消費者金融の広告が出ているのを見て、組合として対策を取るべきだと思った」と語る。
業界が率先して依存症予防対策に乗り出したのは一歩前進だが、行く手に横たわる課題は多い。
榎本さんは「ギャンブル依存症は『心の病』。しかし、日本社会ではまだ病気として認知されていないのが現状」と指摘。「パチンコ産業が繁栄するほど依存症の患者は増えてしまう。業界として今後どう依存症をフォローしていくかを考えてほしい」と求める。
都内には昨年度末で千三百八のパチンコ店、約三十七万台のパチンコ台がある。負の連鎖を食い止めるには、依存症を本人だけの問題としない社会の「受け皿」づくりが急務といえそうだ。
パチンコ・パチスロ依存症を予防するためのホームページは
=http://www.pachinko-izon.net/
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20050311/mng_____thatu___000.shtml